ものづくり補助金は次回17次(2024年)も継続へ 

2023年11月10日の令和5年度補正予算案について閣議決定ありましたが、経済産業省はものづくり補助金を2024年も継続することを発表、中小企業の革新的な製品やサービス開発、生産プロセスの省力化に必要な設備投資などを支援する方針を決定しました。

次回17次のものづくり補助金について

経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要によると、ものづくり補助金関連の予算は2,000億円が計上されています。

中小企業生産性革命推進事業【2,000 億円】

生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT 導入、国内外の販路開拓、事業承継・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援する。

次回のものづくり補助金では新たな申請類型が設けられる予定となっています。さらに、大幅賃上げ特例として、補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対しては、申請類型の補助上限額を100万~2,000万円上乗せするとのことです(大型コロナ回復加速化特例を除く)。

申請類型は以下の3つとなるようです。

申請類型 補助上限額 補助率
(1)省力化(オーダーメイド) 750万~8,000万円(1,000万円~1億円) 中小:1/2※ 小規模・再生:2/3
1,500万円までは1/21,500万円を超える分は1/3
(2)製品・サービス高付加価値化枠 通常類型 750万~1,250万円(850万円~2,250万円) 中小:1/2※ 小規模・再生:2/3
※新型コロナ回復加速化特例2/3
成長分野進出類型(DXGX) 1,000万~2,500万円(1,100万円~3,500万円) 2/3
(3)グローバル枠 3,000万円(4,000万円) 中小:1/2 小規模・再生:2/3
大幅賃上げ特例:補助事業終了後、35年で大幅な賃上げにとりくむ事業者に対し、上記枠の補助上限額を1002,000万円上乗せ(※新型コロナ回復加速化特例を除く)(1)(3)の補助上限額については、特例通用時の上限額。

ものづくり補助金の申請の必要な書類について

ものづくり補助金の申請には以下のような書類が必要になります。実施時期によって、必要となる書類が変更となる可能性がありますが、ここでは過去における申請に必要な書類を紹介します。

  • 事業計画書
    (具体的取組内容、将来の展望、数値目標等)※様式自由、A4で10ページ程度
  • 補助経費に関する誓約書
    (専ら補助事業計画書に記載の事業のために使用する旨の誓約書を提出)
  • 賃金引上げの誓約書
    (直近の最低賃金と給与支給総額を明記し、それを引き上げる旨の誓約書を
    提出)
  • 決算書等(直近2年間の貸借対照表・損益計算書等)
  • 大幅な賃上げ計画書
    (大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例のみ)

ものづくり補助金申請における注意点

ものづくり補助金を申請する際には以下の点に注意する必要があります。

gBizIDプライムアカウントの取得

ものづくり補助金は、申請から支払いの手続きすべてが電子申請システムからとなります。そのため、専用のアカウントがないとログインができません。gBizIDプライムアカウント自体、取得は無料で行えるものですが、取得には数週間時間を要する場合がありますので、申請期限ぎりぎりに慌てないように、早めに取得しておきましょう。

電子申請システムからの申請は

  1. 「電子申請」ページ内「電子申請システムへ」をクリックします
  2. 「gBizIDプライムアカウント」にてログイン
  3. 申請システムに必要項目を入力したり必要書類の電子ファイルを添付します
  4. 入力漏れがないことを確認し「申請」ボタンをクリックし送信

といった手順で申請を完了させます。

加点項目を考慮する

ものづくり補助金の申請採択されるためには、加点項目をいかに増やせるかは重要です。以下のような内容をチェックして加点を目指しましょう。

  1. 有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
  2. 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
    ※ 会社成立の年月日(個人事業主の場合は開業日)又は代表取締役の就任日が公募開始日より5年前の日から応募締切日までの場合が対象。なお、個人事業主や組合にあっては「第二創業」の加点はなし。個人事業主の営む事業を承継する場合は、承継者の「創業」として申請する必要あり。
  3. 「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
  4. 再生事業者
  5. 賃上げ加点等:
    「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を
    提出している事業者」、又は、「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者」に対し従業員数の規模に応じた加点が行われる。
  6. 被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合
    ※ 加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出したうえで各要件に合致した場合に加点対象となります。

減点項目を考慮する

一方で、ものづくり補助金には減点項目もあります。減点対象になっていないか確認しておきましょう。

  1. 応募締切日から過去3年間に、類似の補助金の交付決定を1回受けている場合
    (過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は申請対象外)
  2. 回復型賃上げ・雇用拡大枠において、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで申請要件を満たしている場合

ものづくり補助金の採択率

ものづくり補助金は、ここ数年は50~60%の採択率で推移しています。補助金は申請しても必ずしも採択されるものではありません。過去には以下のような申請数に対しての採択者となっています(1次~15次)。

締切回 採択発表日 申請者数 採択者数 採択率
1次 令和2428 2,287件 1,429件 62.5%
2次 令和2630 5,721件 3,267件 57.1%
3次 2020年925 6,923件 2,637件 38.1%
4次 一般型 2021年218 10,041件 3,132件 31.2%
グローバル展開型 271件 46件 17.0%
5次 一般型 2021年331 5,139件 2,291件 44.6%
グローバル展開型 160件 46件 28.8%
6次 一般型 2021年629 4,875件 2,326件 47.7%
グローバル展開型 105件 36件 34.3%
7次 一般型 2021年927 5,414件 2,729件 50.4%
グローバル展開型 93件 39件 41.9%
8次 一般型 2022年112 4,584件 2,753件 60.0%
グローバル展開型 69件 27件 39.1%
9次 一般型 2022年325 3,552件 2,223件 62.6%
グローバル展開型 61件 24件 39.3%
10次 一般型 2022年715 4,224件 2,584 61.2%
グローバル展開型 70件 28件 40.0%
11次 一般型 2022年1020 4,668件 2,786件 59.4%
グローバル展開型 76件 31件 40.8%
12次 一般型 2022年1216 3,200件 1,885件 58.9%
グローバル展開型 56件 22件 39.3%
13次 一般型 2023年220 3,261件 1,903件 58.4%
グローバル展開型 61件 24件 39.3%
14次 2023年623 4,865件 2,470件 50.8%
15次 2023年929 5,694件 2,861件 50.2%

 

おすすめの記事