女性・若者・シニア創業サポート事業2.0まとめ

東京都にはさまざまな融資制度やサポート制度がありますが、その中で「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」という創業融資制度があることをご存じでしょうか?

これは東京都創業サポート事業を継承し、令和6年4月よりスタートした創業融資・サポート制度のことを指します。対象は東京都内で事業を興そうと考えている女性や若者、シニアと限定されてはいるものの、該当する方であれば、信用金庫・信用組合とアドバイザーの連携のもとで創業サポートを受けることができます。

ちなみにこの「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」は、一般社団法人東京都信用金庫協会・一般社団法人東京都信用組合協会が東京都の補助金を活用して、都内の地域金融機関(信用金庫・信用組合)と連携したうえで実施するもので、株式会社パソナが運営受託している事業です。

本記事では「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」について詳しく見ていきます。

女性・若者・シニア創業サポート事業2.0の概要

「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」は、信用金庫・信用組合・地域創業アドバイザーが連携のもと「低利融資」「事業計画アドバイス」「創業後の経営支援」をパッケージ化して提供しているもので、東京都内で地域に根ざした創業を志す方を幅広く支援しています。

女性・若者・シニア創業サポート事業2.0の支援対象とは?

「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」の支援対象ですが、名前の通り女性と若者、シニアの方が創業する場合にのみ対象となります。

具体的には、
女性:年齢問わず誰でもOK
若者:39歳以下であること
シニア:55歳以上であること

これらの方の中で、東京都内で創業計画がある方、または創業後5年未満(女性は7年未満)の方であること、さらには地域の需要や雇用を支える事業であることが対象の条件となります。必ずしも法人ではなくNPO等であっても支援対象となります。なお、女性・若者・シニアいずれの場合でも、租税の未申告や滞納がないなどの条件もあります。

ちなみに、創業の定義として企業合併や買収等を活用して新たに事業を開始するといった場合はこの支援の対象となりますが、大企業が実質的に経営支配しているような事業や支社等での事業展開は支援の対象となりませんので注意が必要です。
※その他租税の未申告、滞納がない等の条件があります。

女性・若者・シニア創業サポート事業2.0の支援メニュー

「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」の支援を受けたいと思っていても、どのような支援が行われるのかよくわからないまま申し込みすることはできないと思います。ここからは、具体的にどのような支援メニューがあるかを見ていきましょう。

支援内容には大きく「融資前支援」と「融資後支援」の2つがあります。

融資前支援

融資支援前としては「セミナー」や「事前相談」、「事業支援アドバイス」などを行ってくれます。

まず「セミナー」ですが、これは無料で受けることができます。「創業支援セミナー」や「事業計画書作成支援セミナー」「女性向け長期セミナー」「シニア向け長期セミナー」、「創業事業の課題解決セミナー」「業種別セミナー」「DX等活用セミナー」などがすべて無料で受けられるので、自身の対象となるセミナーを積極的に受けることで創業のイメージを膨らますことができるようになることでしょう。

次に「事業相談」ですが、専門家が個別相談に応じてくれ、悩みを解決することが期待できます。こちらも無料で受けられますが原則4回まで、女性、シニア、ソーシャルビジネス、DXに関する相談については6回まで受けられます。
最後に「事業支援アドバイス」ですが、こちらは事業計画書を面談形式でブラッシュアップしていきます。こちらのアドバイスも無料です。

融資後支援

融資後の支援としては「経営アドバイス」「決算書作成アドバイス」があります。融資の実行から5年間サポートが受けられます。

1つ目の「経営アドバイス」ですが、経営ノウハウや地域ネットワークを持つアドバイザーが、経営相談や販路開拓、ビジネスマッチング、人材紹介など事業継続発展のために必要なアドバイスを行ってくれます。こちらは無料で毎年上限が9回となり、5年で最大45回まで受けられます。

2つ目の「決算書作成アドバイス」ですが、こちらは税理士などが帳簿や記帳など決算書作成が初めての方にアドバイスを行っていくサービスです。決算書の作成自体を税理士が代行してくれるわけではなく、別途税理士に決算書作成を依頼する必要があります。なお、融資後1年目のみ受けることができ、上限は2回です。

女性・若者・シニア創業サポート事業2.0における融資条件

女性・若者・シニア創業サポート事業2.0では、次のような条件で融資を受けることができます。当然ながら金融機関の審査の結果で希望に沿えないこともあります。

融資限度額 1,500万円以内(女性は2,000万円以内)
ただし運転資金のみの場合750万円以内(女性は1,000万円以内)
ただし、本事業で借り換えを使途とした融資は申込み不可
利率(年) 固定金利1%以内
担保 無担保
返済期間 10年以内(元金返済据置期間36ヶ月以内含む)
据置期間 3年以内
保証人 法人:必要なケースも
個人事業主:不要
必要となる資料 事業計画書(「女性・若者・シニア創業サポート2.0」所定の形式であること)

既に開業している場合は、開業後全期間の決算書(確定申告書)と直近の試算表等、「開業届」「商業登記簿謄本」「履歴事項全部証明書」等、開業日が特定できる書類

その他金融機関が必要とする書類(「資金繰り表」など)

ちなみに、一般的には融資限度額の1,500万円満額の融資を受けられることはあまりないそうです。

融資の対象となる東京都内の金融機関

「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」の融資対象となる金融機関ですが、都内の信用金庫が22、都内の信用組合が14組合となります。大手銀行ではなく信用金庫、信用組合というのがみそです。

信用金庫

朝日信用金庫、足立成和信用金庫、青梅信用金庫、亀有信用金庫、興産信用金庫、小松川信用金庫、西京信用金庫、さわやか信用金庫、芝信用金庫、城南信用金庫、城北信用金庫、昭和信用金庫、西武信用金庫、世田谷信用金庫、多摩信用金庫、東榮信用金庫、東京信用金庫、東京三協信用金庫、東京シティ信用金庫、東京東信用金庫、東京ベイ信用金庫、青木信用金庫

信用組合

あすか信用組合、東信用組合、共立信用組合、江東信用組合、七島信用組合、青和信用組合、全東栄信用組合、第一勧業信用組合、大東京信用組合、東京厚生信用組合、東浴信用組合、中ノ郷信用組合、ハナ信用組合、文化産業信用組合

 

まとめ

女性や若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)といった方であり、かつ都内での創業計画がある方または創業後5年未満(女性は7年未満)の方しか申込することができない「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」は、該当者の方であれば、ぜひとも申し込んでもらいたい融資です。なぜなら、返済期間10年、据置期間は3年、年利が固定金利1%以内と非常に低金利で融資が受けられるためです。

地域に根付いた大規模な事業を計画している方の場合、運が良ければ1,000万以上の融資を受けられます。気になる方は「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0公式ホームページ」や「創業サポート2.0事務局(株式会社パソナ)」03-6910-8220(受付期間 月〜金:9:00~17:00(年末年始・祝日を除く)までお問い合わせしてみてください。

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