
住宅の購入・売却・建築・リフォームなど、住まいに関わる情報を得たいなら「ハウジングアドバイザー」に相談してみてはいかがでしょうか?住宅メーカーのモデルルームやハウジングセンターで窓口となり、来場したお客様の希望を丁寧に聞き取りながら理想の住まいを提案していくハウジングアドバイザーは、単に物件を紹介するだけではなく、顧客のライフスタイルや家族構成、将来設計まで考慮しながら、最もふさわしい住まい選びをサポートしてくれるまさに頼れる専門家。「住まい選びの伴走者」として親身になって相談内容の解決に尽力してくれます。
今回はハウジングアドバイザーで起業する方法について見ていきたいと思います。
目次
ハウジングアドバイザーとは?
ハウジングアドバイザーとは、住宅に関するあらゆる相談に応じ、顧客に最適な住まい選びや住環境づくりをサポートする職種のことを指します。その役割は単なる物件紹介にとどまらず、顧客のライフスタイルや家族構成、将来設計、資金状況などを総合的にヒアリングし、最もふさわしい選択肢を提案することにあります。
たとえば、子育て世代には学校や公園に近いエリアを、将来売却や賃貸を視野に入れる人には資産価値が落ちにくい地域を薦めるといった具合に、生活の先を見据えたアドバイスを行うのが特徴です。
また、ハウジングアドバイザーは、住宅ローンや税制、各種補助金の情報を提供し、無理のない資金計画をサポートする役割も担っています。場合によっては、住宅購入だけでなくリフォームやリノベーション、新築注文住宅の相談まで幅広く対応。工務店やリフォーム業者との橋渡しを行うこともあるようです。
さらに、購入後の住みやすさやメンテナンスまで考慮したアドバイスを行い、単なる取引ではなく、長期的な顧客満足を目指して活動する点はハウジングアドバイザーならではの仕事と言えるでしょう。
ハウジングアドバイザーとして独立起業するメリット
ハウジングアドバイザーとして独立起業するメリットですが、自分自身の専門性やスタイルを活かしながら、自由に事業を展開できる点にあります。独立することで特定のメーカーやサービスに縛られることなく、顧客最適な選択肢を提案できるようになります。また、営業スタイルやサービス内容も自分で決められるため、得意分野やターゲット層を絞り込み、より深い信頼関係を築くことも可能。実績を積み上げていけば、紹介やリピーターが増え、安定した集客基盤を築くことも夢ではありません。
ハウジングアドバイザーとして独立起業するのが向いている人
ハウジングアドバイザーに向いている人としては次のような特徴があります。
相手の立場に立って考えられる人
ハウジングアドバイザーの仕事は、単に希望条件を聞き取るだけでなくその背景にあるライフスタイルや将来設計まで深く理解することが求められます。たとえば「駅近がいい」という要望ひとつとっても、通勤時間を短縮したいのか、子どもの通学を考えているのかによって提案すべき物件が変わってきます。
相手の言葉の奥にある本音や不安に気づき、寄り添った提案ができる人であれば、自然と顧客からの信頼を集め、リピーターや紹介にもつながりやすくなります。
住宅やお金に関する知識を学び続けられる人
住宅業界は、建築技術や省エネ基準、住宅ローン金利、税制優遇策など常に情報が更新されていきます。また新築市場、リノベーション市場、中古住宅市場と取り扱う領域によって必要な知識も異なります。
そのため、ハウジングアドバイザーとして活躍するには、これらの知識を最新の状態にアップデートし、顧客に正しくわかりやすく伝えられる力が必要です。自ら学ぶ意欲があれば、提案の幅が広がりより高度なニーズにも対応できるようになります。その結果、仕事のチャンスも広がってくることでしょう
最適な提案を追求できる人
ハウジングアドバイザーがいつ何時も、顧客の希望通りの条件をすべて満たす物件を見つけられるとは限りません。その際、柔軟な発想で「この条件を少し変えれば、より良い選択肢が広がります」といった代替案を提示できるかどうかはハウジングアドバイザーの腕の見せどころです。
また、住宅選びは人生でも数少ない大きな決断を伴うイベント。顧客自身が迷いや不安を感じることも多く、成約までに時間がかかるケースもあります。そこであきらめず、粘り強く寄り添い続け、最終的に顧客が納得できる選択を後押しできる人が、真に信頼されるハウジングアドバイザーとなり得ます。
ハウジングアドバイザーに必要な資格
ハウジングアドバイザーとして活動するために必須となる資格はありませんが、より専門性を高め、顧客からの信頼を得るために取得しておくと有利な資格がいくつかあります。
宅地建物取引士
代表的なのは宅地建物取引士(宅建士)があります。宅地建物取引士は、不動産の売買や仲介に関わる重要事項の説明を行える国家資格で、住宅購入をサポートするうえで非常に信頼性が高まります。特に住宅メーカーや不動産会社と提携して仕事をする場合、宅建資格を持っていると大きな武器になります。ただし、国家資格の中では比較的難しい試験であること(合格率15%前後)、年に1回しか試験が行われないことから、受験タイミングを見誤るとなかなか習得できません。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格もハウジングアドバイザーの独立起業にはとても役立ちます。住宅購入には資金計画やローン選びが密接に関わってくるため、FPの知識があると、より具体的なライフプラン提案が可能となり、顧客の無理のない購入をサポートする力が格段に上がります。
ハウジングアドバイザーとして独立起業した場合の収入
ハウジングアドバイザーとして独立起業した場合の収入は、活動スタイルや案件数、ターゲットとする顧客層によっても幅がありますが、一般的に独立初期の年収は300万円〜500万円程度と言われています。ただし、営業力と提案力を武器に案件を安定的に獲得できれば、年収1,000万円程度を目指すことも十分可能です。
大きな売上の柱としては、住宅メーカーや不動産会社と提携して紹介料を得たり、個別相談料を設定して直接顧客からフィーを受け取ったり、契約成立時に成功報酬をもらうケースなどがあります。特に高価格帯の物件や注文住宅案件を多く扱えると、1件あたりの報酬単価も高くなり、収入が大きく伸びる可能性は高まります。
まとめ
ハウジングアドバイザーとして起業するには、住まいに関する幅広い知識や顧客一人ひとりに寄り添う提案力が必須。単に物件を紹介するだけではなく、ライフスタイルや将来設計にまで踏み込んだアドバイスを行い、信頼関係を築くことが求められます。
なお独立起業を目指すなら、まず不動産や住宅設備、ローン、税制といった実務的な知識をしっかりと身につけ、顧客の多様なニーズに応えられる準備をしておくことが大切です。ほかにも、自身の強みを明確にして、ターゲットとする市場を定め、差別化したサービスを打ち出すことで独立後の集客や事業拡大につなげていきます。住まい選びに悩む人々をサポートする「ハウジングアドバイザー」、やりがいのある仕事のひとつです。