一時期ほどではありませんが、コロナ禍を通してオンラインスクールの需要は高まりつつあります。
以前であれば学習教材やセミナーなどが一般的なオンライン教材となっていましたが、最近はYouTube動画などの視聴者も増えていることから、リアル英会話やヨガ教室、ピアノ教室といった対面授業が当たり前と思われていたコンテンツもオンライン化され、遠隔地に住む人とのやりとりもスムーズにできるようになっています。
今回はオンラインスクールで起業する方法について見ていきたいと思います。
目次
オンラインスクールとは?
オンラインスクールとは、インターネットを通じて提供される教育プログラムやコースのことを指します。
従来型の対面授業とは異なり、学習者が自宅や他の場所から自由にアクセスできる点が特徴です。
オンラインスクールは時間や場所に縛られることなく、自分のペースで学習できるという利点があります。
また、動画講義やオンラインテキスト、ライブセッション、ディスカッションフォーラムなど、多様な形式で学習が行われるため、学習者は自分に合ったスタイルで知識を深めることが可能です。
逆に考えると、運営側は場所を確保することなくネット上で学習環境を構築し、顧客管理を行ったり講座管理、動画管理などを行えるため、比較的起業しやすいビジネスモデルであると言えるでしょう。
オンラインスクールとして起業するのに必要なもの
オンラインスクールを起業するためには、技術的なインフラや学習プラットフォーム、コンテンツの準備、マーケティングなどいくつかの要素が必要となります。
学習プラットフォームの構築
基本的にオンラインスクールを運営するためにはプラットフォームが必要です。
学習者がアクセスしやすく使いやすい学習管理システムやWebサイトの構築が必要となります。
プラットフォームでは、動画講義や教材の配信、テストやクイズの実施、生徒の進捗状況を管理できるように設計されている必要がありますが、スクラッチで開発する場合は、自身の思うようなシステムが作れる一方でかなりのコストがかかってしまいます。
一方でパッケージシステムを利用した場合には、コストは押さえられるものの、機能的な制限がかかり運営側および利用者側のユーザビリティに支障が出る場合もあります。
教育用コンテンツの作成
スクールで提供する教育コンテンツはオンラインスクール運営に欠かせないツールです。
専門分野に基づいた教材や講義動画を作成し、受講者が学びやすい形で提供する必要があります。その際には、高品質なビデオ撮影機材や編集ソフト、プレゼンテーションツールも役立つでしょう。
コンテンツといってもある分野についての作成したコンテンツ内容はどうしても他社に似通ってしまいます。
単なるコンテンツの垂れ流しでは誰も見てくれませんので、独自性を出すためには、キャラクターの作成やインフルエンサーなどの登場、権威ある方の監修などが必要です。
決済システム
オンラインスクールの申し込みは基本オンライン上で完結します。
そのためオンライン決済手段の用意も忘れてはなりません。
受講料をオンラインでスムーズに決済できるような仕組みを整えるためには、すでに巷に提供されている決済プラットフォームの利用が便利です。
初期導入費用や決済手数料の支払いは発生してしまいますが、クレジットカード情報などの個人情報を直接管理しないためセキュリティ的にも安全ですし、スクラッチ開発よりはコストを大幅に抑えられます。
プロモーション活動
オンラインスクールの認知度を高めるためにはマーケティングが欠かせません。
SNSや広告を活用し、ターゲットとなる受講者にプロモーション活動を行って、ブランドイメージを構築することが求められます。
その他、法的な準備や質の高いサポート体制の構築なども必要となりますので準備しておきましょう。
オンラインスクール起業の課題
オンラインスクールで起業し、運営を行っていくためには、さまざまな課題を乗り越えクリアしていく必要があります。一般的なオンラインスクール運営には次のような課題が露見されています。
技術的な問題
たとえば、システムダウンやネットワークの問題など、技術的な問題はネットビジネスを行うにあたっては避けて通れない問題です。
受講者がアクセスできなかったり、過去受講履歴が消えてしまったりと学習の進行に影響を与える状態はできる限り避けなければなりません。
利用する学習管理システムの選定や、スクラッチで構築したシステムのメンテナンスが不十分だと、受講者の満足度が低下することも想定され、結果的に解約につながっていってしまいます。
ちなみにインターネット接続が不安定な地域の受講者にとって、ストリーミング講義やライブセッションは大きな障害となり得ますので、コストにゆとりがあればダウンロード型のコンテンツの準備も必要な場合があります。
学習者のモチベーション維持
オンラインスクールは、対面式の授業とは異なり学習者が孤立しやすく、自発的に学習を進める必要があります。
このため、継続的に受講者が学習に取り組むためのサポートや動機づけの仕組みを提供しないと、解約率が高まってしまう可能性があります。
オンラインスクールを運営するのであれば、定期的なフィードバックや進捗管理、コミュニティフォーラムを通じて学習者同士の交流を促進することを常に念頭においておかなければなりません。
コンテンツクオリティの維持
オンラインスクールは、対面の授業に比べると学習者が直接のフィードバックを得にくく、コンテンツが分かりやすく効果的であることが求められます。
たとえば、コンテンツが複雑すぎたりわかりにくければ、学習効果が低下して顧客満足度が低下します。
そうならないためにも、教材作成者はオンラインならではの形式に合ったわかりやすいコンテンツ作成スキルが必要です。自社でコンテンツ作成・編集できればコストを低減できますが、場合によっては外注化も検討しましょう。
一般的に、コンテンツの質を高めるには、「権威性があること」「コンテンツに人を引き付ける魅力があること」「有名人(インフルエンサー)を使うこと」が有効とされています。
他社との競争に打ち勝つ
特に資格も必要なく、参入障壁が低いオンラインスクール運営は競合ひしめくレッドオーシャンです。
オンライン教育市場は急速に拡大しており、多くのプラットフォームや教育サービスが競合しています。それに、動画コンテンツ制作スキルがあればオンラインコンテンツ作成は造作のないもの。
そのため、無料でコンテンツ紹介しているところが現れれば、ユーザを取られてしまい収益が得られなくなってしまいます。
そうならないためにも、他社との差別化を図って独自の価値を提供することが重要です。
確実に言えるのは、優れたコンテンツ内容や講師の質、受講者へのサポート、手ごろな価格設定などを考慮する必要があります。
オンラインスクールとしての収入
オンラインスクールでの起業はプラットフォームやコンテンツの作成・準備に時間やコストがかかります。
自己資金で賄える範囲で行うのであればスモールビジネスで、最初からある程度の規模を目指すのであれば、事業計画を作成し借り入れを検討してみましょう。
気になる理想の収入ですが、こればかりはコンテンツの値付けによって大きく異なります。
オンラインコンテンツは一度アップしてしまえば、その後は黙っていてもお金を生み出してくれるため、利益率は高いです。ただし、面白いコンテンツでなければだれも見向きもしてくれませんので、コンテンツ次第と言っていいでしょう。
まとめ
これから起業して健全なオンラインスクールを運営するためには、実益が伴ったコンテンツを利用者に提供することが大事です。
ITスキル(プログラミングやデザイン、コーディング、動画撮影など)や語学スクール(ネイティブによるスピーキング教室など)など、自分が好きなもの、得意なことをオンラインコンテンツ化するところから始めましょう。