ビジネスでの自宅訪問マナー完全ガイド

保険業や通信販売業などのようなビジネスでなければ、個人宅に訪問する機会はそれほど多くはないかもしれませんが、訪問する場合には最低限守るべきマナーは遵守したいところ。特に社会人になれば会社の上司宅やお客様宅に招かれるようなこともありますので、恥をかかないような作法や知識をしっかりと学んでおくと安心です。

今回は、友人宅への訪問ではないビジネス関係者への自宅訪問時のマナーについてお伝えしていきます。

ビジネス関係者の自宅を訪問する際ってどんな時?

上司をはじめ取引先などの自宅へ訪問するケースとしては、ホームパーティーや食事会、仕事上の打ち合わせなどが考えられます。基本的にアポなしで訪問するようなことはないと思いますが、しっかりと職場の関係性を維持しつつ、礼儀正しい態度を心掛けることが重要です。

以下に基本的なマナーをご紹介します。

訪問前の事前準備

訪問する目的は事前に決まっていることと思いますが、訪問時間に関しては間違いのないよう確認しておきましょう。たとえば、14時と夕方4時を間違えたりといったことがないように念を押して確認しておくべきです。訪問時間より5分ぐらい前に到着するのがベストタイミング。早すぎても遅刻してもいけません。早く着きすぎた場合には近くの邪魔にならない場所で待っておくのが賢明です。

手土産のマナー

また、何かしらの手土産を持参すると印象が良くなります。持参したものは自分の好みではなく相手の好みに合わせて用意するとよいでしょう。お子様のいる家に訪問するのであれば、お子様が食べられるものが好まれます。
渡すタイミングですが、部屋に通されたのちに一息ついたぐらいの段階でお渡しするのがベストです。その際には紙袋から出して渡すようにしましょう。ただし、夏の暑い時期で要冷蔵のものであれば、玄関でお渡ししてもよいです(この場合には紙袋のそのままOK)。
なお、購入する際は訪問相手の自宅近くで買うのは、取り急ぎ購入した感が強いためよくありません。地元でしか手に入らないものなどが珍しがられ喜ばれます。反対にどこでも売っているものは目新しさがなく避けたほうが無難です。

おすすめ手土産ベスト3

手土産として持参するのに好ましいもの、そうでないものがありますが、上司やお客様に招かれた際にはどのような手土産がベストなのでしょうか。いくつか紹介している中から「これは良い」というものがあれば、ぜひ試してみてください。

焼き菓子

焼き菓子にはいろんな種類があります。「フィナンシェ」「マドレーヌ」「バウムクーヘン」「クッキー」などは定番ですが、外れることはほとんどありません。最近では「マカロン」や「ラスク」といったものも人気です。日持ちもするので長く楽しんでもらいたいと考えるのであれば、焼き菓子はベストです。

和菓子

あまり日持ちはしませんが、「大福」「羊羹」「どら焼き」「おはぎ」のようなものは年配の方に比較的喜ばれます。粉がこぼれやすいものは避けたほうが良いですが、個装されたものなどは食べやすく好まれます。

ケーキ

ホールケーキではなくいろんな種類のカットケーキを持参するのも定番中の定番。訪問者も含めた分のケーキを持っていきご相伴に預かるのもありでしょう。もし相手の好みがあらかじめわかっているようなら選択しやすいように好みのケーキを含めておきましょう。好みがわからない場合には、あまり冒険せず無難なタイプのケーキにしておきましょう。

お酒

呼ばれる目的がホームパーティーのようなお酒が入るような場であるのであれば、ワインなどのお酒を持参するというのもよいでしょう。そんなに高いものである必要はないですが、コンビニで手に入るようなものではなく、リカーショップで手に入る少し高めのものがおすすめです。和食を食する機会がある場合には、焼酎や日本酒のようなお酒もありです。

訪問時の服装

上司や取引先の自宅に訪問する際はカジュアル過ぎない清潔な服装が適切です。やはり、スーツやビジネスカジュアルがおすすめです。時期にもよりますが、Tシャツやジャージなどの家着のようなものは避けましょう。
また、女性であればヘアスタイルにも気を使いたいところ。髪の毛が長い方の場合には、まとめておくほうが無難です。出てきた食事に入ってしまう可能性もありますし、不潔に見えてしまいます。

靴を脱ぐ際の配慮

靴を脱ぐ際には靴はきちんと揃え、他の方の邪魔にならないように置きましょう。靴の向きを変えるときは、かがんだ状態で行います。背中向きで上がって靴を脱ぐのはマナーに反します。
気を付けておきたいのが、靴下やストッキングに穴が開いていないこと。自宅を出る前に穴が開いていないことを確認しておきましょう。念のため、ストッキングが伝線した場合用に替えを準備しておくことも忘れずに。

部屋に入ったら上座・下座を意識する

上司やお客様への普段の接し方を体現するとなれば、自分が下座に座るのが基本ではあるものの、招かれた自宅ではどこに座ればいいかわかりにくいものです。一般的にはホストの方が座り慣れている場所があるはずなので、部屋に通されたのち、下座に位置する場所付近に留まり、誘導されたら該当の席に速やかに移動するとよいでしょう。

コートやバッグの置き場所

コートを着てきた際には、チャイムを鳴らす前に脱いでおくのがマナーです。インターフォン越しに脱いでいる姿を見られないように先に脱いでおきましょう。手に持ったコートは、ハンガー等を用意してくれる場合にはお借りして、指定される場所に掛けておきましょう。特にそのような用意がない場合には、座る場所の近くに置くのが無難です。

滞在時の礼儀

滞在時はビジネス要素が薄いとはいえ、仕事の関係性を保ちつつ振舞うことが重要です。そのため、リラックスした会話も必要ですが敬意を忘れない丁寧な話し方も大切となります。また、ご家族がいる場合には、きちんと挨拶をすることを心掛けましょう。
なお滞在時、食事に加えてアルコールが振舞われる場合もあるかと思います。しかし、あまり深酒をせずに節度ある態度を維持することが重要です。
基本的には2時間~3時間程度の滞在に留め、それ以上長くいる場合にも一旦「そろそろ失礼して…」とお邪魔にならないように配慮するのが礼儀です。これは特にご家族がいる場合で忘れずに対応するようにしましょう。

勝手に扉を開けないように

上司やお客様の自宅に伺った際には、決して通された部屋以外の扉を開けないようにしましょう。当然冷蔵庫なども開けてはいけません。ただし、トイレをお借りする場合に関しては、場所を聞いたうえで移動上必要な扉は開けても構いません。

帰宅時の礼儀

帰る際には、お世話になったお礼を丁寧に伝えましょう。後日改めて感謝の気持ちを伝えるのもよいです。
お礼文を書く際には次のような内容であれば問題ありません。

拝啓

先日はお忙しい中、私をお招きいただきまして誠にありがとうございました。素晴らしいご家庭で貴重なお時間を共有でき、心より感謝申し上げます。また、美味しいお料理と温かいおもてなしをいただき、楽しいひとときを過ごさせていただきました。おかげさまで、心からリフレッシュすることができました。改めて御礼を申し上げます。

今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

 

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