年末は、一年間のお世話に感謝の意を伝える挨拶メールを送る機会が増えます。訪問してカレンダーを配る企業も存在しますが、最近は挨拶メールで対応することが多くなっています。このような挨拶メールはビジネスコミュニケーションの一環として定着しつつありますが、具体的な内容について会社から指導されることは少なく、多くの場合、インターネット上のテンプレートを参考に独自の言葉に置き換えていることが一般的です。
今回は、年末の挨拶メールの書き方や送信時の注意点について詳しく見ていきましょう。
目次
年末のあいさつメールを送る理由
お客様へ年末の挨拶メールを送る理由はいくつかあります。
- 自社の年末年始のスケジュールを伝える
- 日頃の感謝を示す
- 来年も引き続きのお願いをする
これらが挨拶メールの主な目的です。特に年末年始のスケジュールについては、年始の営業開始日など重要な情報を伝えるため、念入りに伝える必要があります。
年末のあいさつメールの内容(対象者別)
年末の挨拶メールを送る相手はクライアントだけでなく、アウトソーシング先や同じ会社の他部署のメンバーなど多岐にわたります。これらの相手に対して、「挨拶メールだから一斉送信で良い」と考えるのは大きな誤りです。異なる立場の相手には、できる限り個別にメールを送るのが原則です。CCによる一斉送信は避けましょう。送信先が全員に見えてしまうためです。また、BCCで送信する場合も注意が必要です。自分の立場が上であっても、目下の立場の人にクライアントと同じ内容を送ると、受信者が違和感を覚えたり、「誰にでも送っているんだ」という悪い印象を与える可能性があります。
クライアントや取引先へのメール例
クライアントや取引先に送るメールには、以下の例文が適切です。
株式会社〇〇 △△様
株式会社□□の△△と申します。
いつも大変お世話になっております。
年の瀬も迫り、今年も残りわずかとなりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
◯◯様には、本年も格別のご厚情を賜りまして、心より感謝申し上げます。
誠に勝手ながら、当社は下記の日程を年末年始の休業期間とさせていただきます。
202X年12月◯日~202X年1月◯日
なお、新年は1月◯日より営業開始となります。
休業期間中はご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
緊急のご連絡は、XXX-XXXX-XXXXまでお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
来年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
社内メンバーや他部署へのメール例
社内のメンバーや他部署の方に送るメールは、以下の例文が適切です。
上司向けと同僚向けの2パターンを作成しましたので、参考にしてください。
〇〇様
本年も残すところあとわずかとなりました。
今年も〇〇さんには、大変お世話になり心から感謝しております。
プロジェクトの成功は、〇〇さんのご教示のおかげだと存じます。
来年もご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、
一層努力して参りますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
メールにて年末のご挨拶を申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
〇〇様
本年も残すところあとわずかとなりました。
今年も〇〇さんには、大変お世話になりました。
来年もご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、
今後ともアドバイスやサポートをよろしくお願い申し上げます。
メールにて年末のご挨拶を申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
内容的には似たようなものですが、対外的な内容と比べると、多少カジュアルでも構いませんが、ビジネスマナーを守った上でメールを送るよう心掛けましょう。
年末のあいさつメールで注意すべき点
年末に送る挨拶メールの注意点を以下にいくつか紹介します。
誤字脱字に注意
年末年始を問わず、対外的・社内のメール全てにおいて誤字脱字がないよう、しっかりとチェックしてから送信しましょう。わずかな誤字脱字は許容範囲ですが、休暇の日程や曜日を間違えると、相手を混乱させることがあります。
慣れていない時候の挨拶に注意
メールで使用する時候の挨拶は、手紙を書く方には馴染みがあるかもしれませんが、メール文化の現代ではあまり使われていません。そのため、季節を間違えた時候の挨拶を使用しないよう注意しましょう。
例えば、年末の場合、「寒さが肌を刺す今日この頃でございますが」や、「年の暮れ、ご多忙な日々をお過ごしのことと存じます。本年も大変お世話になりまして、感謝申し上げます。」といった表現は適切です。ただし、最近は暖冬の傾向があるため、「寒さが肌を刺す」という表現に抵抗がある場合は、別の表現を使用しましょう。インターネットで検索すれば、さまざまな参考表現が見つかります。
送信タイミングを間違えない
年末の挨拶は、会社が年内に終了する最終日付近に送りたいものです。ただし、各企業の年末年始休業日は異なります。自社の最終出社日が相手企業の休暇期間に重なることがあるため、理想的には12月20日~23日前後に送信するのが良いでしょう。また、クリスマス休暇を取る人もいるため、24日のクリスマスイブから休暇に入る人に対しても、メールが年明けに読まれることがないように注意しましょう。
年末あいさつメールへの返信は必要か?
年末の挨拶メールについては、送る人と送らない人がいます。挨拶メールを送ってくれた相手に対しては返信しやすいかもしれませんが、こちらから先に送信して気持ちがすっきりする場合もあります。そのため、必ずしも返信がないことを「その人はいい加減な人だ」と判断しないでください。年末年始は忙しい時期であり、返信する時間が取れないこともあるでしょう。また、メールへの返信が苦手な人もいるため、見返りを期待せず、自分から挨拶メールを送ることが大切です。
最近では、メールだけでなく、SNSやグループウェアを使って仕事のやり取りを行う人も多くいます。そのため、メールでの挨拶だけでなく、これらのツール上で同様の挨拶を行うことも良いでしょう。ただし、表現や内容に注意する点は、メールであろうとSNS・グループウェアであろうと同じです。
まとめ
年末の挨拶メールは、ビジネスにおいて大切なコミュニケーションの機会です。適切な表現や内容を選び、個別にメールを送ることで、相手に対する気持ちや信頼を伝えることができます。また、注意点についても、誤字脱字や時候の挨拶を間違えないようにすることで、相手との信頼関係を損なわないようにしましょう。返信についても、必ずしも返信が必要ではなく、自分から挨拶メールを送ることが重要です。さらに、SNSやグループウェアを使って挨拶を行うことも増えていますが、適切な表現や内容に気を付けて、良好な関係を維持することが大切です。年末の挨拶メールは、ビジネスパートナー、顧客、同僚との関係を深め、信頼関係を築く上で欠かせないものであり、しっかりと送信することが望ましいです。