ビジネスでの会計マナーとは?基本とコツ

ビジネスパーソンの打ち合わせや食事会などでは、会計の際に誰が支払いをするのか悩むことはないでしょうか?誰と一緒なのかによって支払い方が変わることもあり、普段から会計のマナーを知っておかないと同席者に恥をかかせてしまうこともあり得ます。

ビジネスシーンにおける会計のマナーは、相手に敬意を示し、良好な関係を築くために非常に重要です。食事の席や接待などでスマートに振る舞うことができれば、自分の印象を高め、相手に安心感を与えることができます。
本記事では、会計マナーについてお伝えしていきます。

ビジネスの現場では誰が会計するのがよいのか?

ビジネスシーンで会計を誰がするかは、状況や関係性によって異なりますが、基本的には招待した側が支払いをするのが一般的なマナーです。ここからは、具体的なケースごとに詳しく説明していきましょう。

接待や商談の場面

接待や商談時では、原則として主催者や招待側が支払います。クライアントや取引先を食事に招待した場合、費用は主催者が負担するのが基本です。これはおもてなしの一環であり、相手に対して敬意や感謝を示す機会となりますので、相手を立てましょう。
もし、相手が支払いを申し出た場合でも、「今回は私が」と柔らかく断るのが一般的です。どうしても相手が譲らない場合は「次回はぜひお任せします」と、次の機会に繋げるのも大人のマナーです。

目上の方との会食

上司や目上の方と食事をする場合は、基本的に目上の方が支払うことが多いです。部下が支払おうとするのは礼儀正しい行動ですが、無理に押し通さない方がよいでしょう。
しかし、部下が支払うことで感謝の意を示すケースもあります。たとえば、上司がプライベートで相談に乗ってくれた場合などは、部下側が「感謝の気持ちです」と支払いを申し出ることもあります。

同僚や社内の関係者同士

会社の社内の同僚やチームメンバーとの会食では割り勘が基本です。とはいえ、役職が上の人が支払う場合も多く、上下関係が影響することがあります。あまり気を遣わせたくない場合は、「次回は私が払います」と提案することでバランスを取るとよいでしょう。ちなみに割り勘の場合、100の単位ぐらいまでであれば請求するのもありですが、1円単位まで細かく請求するのは避けましょう。

取引先との打ち合わせを兼ねた食事

お客様との商談を伴う食事では、商談を持ちかけた側が支払うのが基本となります。たとえば、新規の取引先とのランチミーティングであれば、自社の代表者や営業担当が支払います。これによって関係を大切にしたいという姿勢を示すことができます。

イベントやグループでの会食

ビジネス懇親会や打ち上げなどの会社イベントでは、主催者が負担することが基本です。参加費として事前に徴収するケースもありますが、上司が「二次会は自分が出します」と負担する場面も見られます。

スムーズな会計の仕方

上記のようなさまざまなシーンにて会計する際、恥をかかないスムーズな支払い方を身に付けておくと、できるビジネスパーソンとして相手に良い印象を与えることができます。

ここでは一般的な会計の流れを見ておきましょう。

支払いの事前準備

ビジネスシーンでは、会計の流れを事前に想定しておくことが大切です。特に接待や商談の場であれば、誰が会計をするかを明確にし、必要であれば事前にクレジットカードを店舗に預けるなど、支払いをスムーズに行う工夫が求められます。相手に気を遣わせないためにも、会計はスマートに済ませましょう。
また、可能であれば予約の際に「支払いは自分が行う」と伝えておくと、当日の流れがさらにスムーズになります。レジに向かう際には、自然にその場を離れるよう心掛けることが大切です。相手に「支払いは任せてください」と言わせないように、先回りして対応するのが理想です。

支払いのタイミング

食事の終盤に差し掛かったら、店員に声をかけるタイミングを見計らいます。大声で呼ぶのではなく、アイコンタクトや軽く手を挙げるなど、控えめな方法が好ましいです。なお、相手がトイレ等で席を外している間に支払いを済ませることで、よりスマートな印象を与えることができます。
万が一、相手が支払いを申し出た場合でも「本日は私に任せてください」というように、柔らかく丁寧に断ることがマナーです。
なお自分が招待を受けた場合、会計時には一度財布を取り出して支払いの意思を示すことがマナーとされています。払うことがないと分かっていても「実際に財布を開き、お金を支払う姿勢を見せること」が良いとされています。

支払い方法

支払いについてはクレジットカードや電子マネーでの支払いが増えていますが、現金を使用する際も準備は怠らないようにしましょう。特に複数人での会食では、お釣りの受け渡しなどが煩雑にならないよう、あらかじめ細かいお金を用意しておくとスムーズです。領収書が必要な場合は、社名や宛名を正確に伝え、間違いがないかその場で確認します。
なお、カード支払いの場合、暗証番号の入力やサインの際には、相手に見えないよう配慮します。支払いが完了した後は、店員やスタッフに対して「ごちそうさまでした」や「ありがとうございました」と感謝の意を伝えることも忘れずに。
絶対に避けたいのがクレジットカードで支払おうとした際、「カードが使用不可」と店に言われることです。支払い時に恥をかかないように、もしカードが使えないことが分かった場合でも現金または電子マネー等複数の決済手段を用意しておきましょう。

席に戻る際の振る舞い

最後に会計を済ませた後は、何事もなかったかのように席に戻ります。相手に「もう支払いが済んでいるのですか?」と驚かれるような自然な流れを意識しましょう。相手が恐縮している場合でも、「今日は私が招待したので」「お世話になっているので」といった一言を添えることで、相手も素直に受け入れやすくなります。

会計後のフォロー

会計後には「おいしいお店でしたね」「素敵な時間を過ごせました」といったポジティブな言葉をかけ、会食の締めくくりを和やかにすることが大切です。帰り際には、「本日はありがとうございました」といったお礼を伝え全体の印象を良くした状態でお開きになることを目指しましょう。なお、支払い終わるまでは店を先に出ることがないよう、会計される人の後ろで待機するのが基本です。

次の日にお礼を伝える

ごちそうになった場合には、翌日にメールや電話で改めて感謝を伝えるとより丁寧です。その際、食事の内容や話した内容に触れ、「楽しい時間だった」旨を付け加えると印象が良くなります。なお、高額な食事をごちそうになった場合には、後日手土産のお菓子を持参して「先日はありがとうございました」と直接お礼を伝えるのもよいでしょう。その手土産ですが、あまり高額なものにしてしまうと、気を使わせてしまうので相手の負担にならない程度のものに留めましょう。

まとめ

ビジネスシーンにおける会計は、単なる支払い行為ではなく、相手への配慮や敬意を示す重要な場面です。細部にまで気を配ることで、より良好な関係構築に繋がります。会計時にトラブルを起こしてしまうと、相手との関係性に影響を与えることもありますので、事前準備と冷静な対応が、スムーズでスマートな会計を実現するキーとなります。

おすすめの記事