簡易書留の受け取り方と注意点

契約書などの重要書類で使われる機会のある簡易書留ですが、本人もしくは家族などが直接受け取る必要があるため、不在時には受け取れないこともあり、受け取り方に困っている人も多いのではないでしょうか。
また、簡易書留には保管期限があり、一定期間が過ぎてしまうと差出人に返送されてしまうなど、トラブルに発展してしまう可能性もあります。
そこで、今回は簡易書留の受け取り方法や、不在時の再配達方法などを具体的に解説します。

簡易書留と一般書留の違いとは?

簡易書留は郵便物の引受から配達までの過程を記録してもらえる配達方法のことで、重要書類を送る際によく使われます。
一般的な郵便物は土曜・日曜・祝日は配達されませんが、書留であれば土曜や日曜などの休日も配達してもらえることも大きなメリットと言えるでしょう。書留は相手に届かなかった場合、原則5万円までの賠償請求が可能なため、ビジネス書類で使われることが多いです。
なお、簡易書留と似たサービスで「一般書留」がありますが、最も大きな違いは「要償額」です。

  簡易書留 一般書留
送付にかかる費用 普通郵便+350 普通郵便+480
郵便追跡システム 引き受けと配達記録 引受、経由した郵便局、配達まですべてを記録
最大要償額 5万円まで 500万円まで

簡易書留では最大要償額は5万円までなのに対し、一般書留の場合は500万円までが補償されます。ただし、損害要償額の申し出がない場合の損害要償額は、現金書留の場合は1万円、一般書留は10万円となります。
ちなみに、郵便追跡システムにおいて一般書留の場合は経由した郵便局まで細かな記録が残ります。ほかにも一般書留は配達日や配達時間の指定も可能で、曜日や重さによって必要な金額が異なります。配達日指定は平日なら+32円、土日・休日なら210円で対応してくれ、250gから4kgの間の荷物なら+340円~710円にて指定できます。

以上のように、一般書留のほうがサービスは充実しているものの、送付にかかる費用が高いこともあり、金やダイヤモンドといった高価な品物発送に使用されることがあります。

簡易書留が使われるケース

簡易書留が使われるのは、以下のようなケースです。

  • カード会社から、クレジットカードを送付されるとき
  • ビジネス上の契約書類などの重要書類
  • 現金以外のものを送付するとき
  • 相手が受け取ったかを確認したいとき

簡易書留は、要償額は5万円までとなっており、それ以上の価値がある商品券やチケットの送付には向きませんが、5万円以内なら一般書留よりも安く送付できるので便利です。
また、現金を送付したいときは「現金書留」という方法があり、日本の紙幣や硬貨などを送ることができます。特に結婚式などのイベントに参加できないときに、お祝い金を送るケースなどによく用いられます。

簡易書留の受け取り方

簡易書留は手渡しでの受け取りが基本になるため、不在で受け取れない場合は不在票がポストに投函されます。もし自宅以外に勤務先を受け取り先にしておけば、会社で受け取ることも可能です。

簡易書留は本人以外でも受け取りできる

簡易書留は、本人以外でも受け取りが可能です。自宅やオフィスに郵送された場合、受取人本人が不在の場合であっても家族や同僚といった代理人が受け取れます。自宅の場合なら本人確認は必要ありませんが、サインもしくは印鑑は必要です。

不在で受け取れないとき

受取人および家族なども不在で受け取れなかった場合は、不在票がポストに投函されます。
簡易書留を受け取る場合は、以下の2つの方法があります。

  • 再配達を依頼する
  • 郵便局で受け取る

再配達を依頼する場合は、インターネットもしくは電話での手続きが必要です。インターネットで依頼をする場合、不在票に記載されたURLから画面の指示に従って申込みましょう。
一方、電話で再配達を依頼するときは、同じく不在票に記載された電話番号の自動音声に従って操作を進めます。
どちらも受付は24時間可能なので、忙しい人も安心です。ただし当日受け取りをしたい場合、17時ごろが最終締め切りとなるので早めの対応が必要になります(最寄りの郵便局の営業形態によって異なります)。
なお、再配達以外にも、郵便局に直接受け取りに行くことも可能です。ただし、郵便局で直接受け取るときには以下の書類が必要となります。忘れると受け取りできないので注意しましょう。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 印鑑
  • 不在票

また、受け取り可能時間は郵便局の営業時間内となるので、行く前に確認しておくと安心です。

簡易書留の受け取りで注意したいこと

簡易書留の受け取りにおいてトラブルにならないよう、事前に確認しておきたい注意点を確認しておきましょう。

不在票を紛失したとき

簡易書留が受け取れなかったときには、不在票の案内に従って再配達もしくは郵便局に直接受取りとなります。
しかし、誤って捨ててしまったなど不在票をなくしてしまった場合もあるでしょう。もし不在票をなくした場合、まずは差出人に追跡番号を確認します。差出人でも追跡番号がわからない、確認が難しい場合は、配達エリアの郵便局に問い合わせましょう、
電話の場合、自動音声ガイダンスに従って不在票をなくしたことを伝え、必要な情報を伝えます。

簡易書留の受取り期間を過ぎてしまった

不在で受け取れなかった簡易書留は、基本的に1週間~10日ほど郵便局で保管されます。保管期限を過ぎた郵便物は、一度差出人に返送されてしまうので注意が必要です。
それにより再発送となる場合は、送料負担のやり取りが発生するなどトラブルの原因となるため、不在票を確認したらすぐに再配達を依頼する、もしくは郵便局で受け取るようにしましょう。

レンタルオフィスやシェアオフィスの簡易書留の受け取りは可能?

レンタルオフィスやシェアオフィスの利用を検討している方の場合、簡易書留などの受け取りは可能かどうか、気になる人もいるのではないでしょうか。
一部のレンタルオフィスの中には受付が常駐しているオフィスもあり、受付サービスがあれば簡易書留書類の受け取りも可能です。
しかし、コストを抑えたレンタルオフィスの場合は、無人の施設も多く、簡易書留の受け取りができないということも少なくありません。
利用を検討するレンタルオフィスでは、受付スタッフが常駐しているかどうか、また常駐している時間帯は何時から何時までかを確認しておくと安心です。ただし、一部のレンタルオフィスでは常駐スタッフがいても受け取り代行をしていない場合もありますので、注意が必要です。

まとめ

今回は、簡易書留の受け取り方法や、不在時の対応について解説しました。
簡易書留による郵送は、追跡システムがついていることから、契約書などの重要書類の送付などビジネスでもよく使用される送付方法です。
一般的には自宅もしくは勤務先を受け取り先にすることが多い簡易書留ですが、なかにはレンタルオフィスやシェアオフィスでの受け取りを希望する人もいるでしょう。多くのレンタルオフィスやシェアオフィスでも受け取りは可能ですが、オフィスに受付が常駐していなければ受け取りはできないこともあります。
受け取りできなかった場合は、再配達を依頼もしくは郵便局に直接受取りに行くなどの手間がかかりますし、受け取り期間を過ぎると差出人に返送されてしまいます。
仕事上、簡易書留を受け取ることが多い方の場合、レンタルオフィスを検討しているなら、あらかじめ利用したいオフィスに受付が常駐しているかどうか、常駐している場合は、営業日や営業時間帯についてしっかり確認しておくようにしましょう。

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