アフィリエイトを行う人のことを「アフィリエイター」と言います。アフィリエイターになるための参入障壁は低く、意思さえあれば誰でも始めることができます。しかし、アフィリエイターとして起業し、生活できるほどの収入を得るためには、アフィリエイトに関する十分な知識、Webに関する技術、事業を継続するための強い意志、そして市場を見極める力など、多岐にわたるスキルを身に付ける必要があります。今回は、アフィリエイターとして起業する方法についてご紹介したいと思います。
目次
アフィリエイターとは?
アフィリエイターとは、インターネット広告の一形態で、企業の商品やサービスを自身のウェブサイト、ブログ、SNSなどのオンラインプラットフォームを通じて紹介し、その紹介によって発生した売上や成果に応じて報酬を受け取る人のことを指します。
具体的には、アフィリエイトプログラムに参加し、広告主が提供する専用のリンクやバナーを自身のコンテンツに掲載します。興味を持った訪問者がそのリンクを経由して商品を購入したりサービスに申し込むと、アフィリエイターに報酬が支払われる仕組みです。
アフィリエイターは、自分の興味や専門分野に関連する商品やサービスを紹介することで、訪問者に価値ある情報を提供し、その結果として報酬を得ることができます。しかし、成功するためには、ターゲット読者層に合った商品やトレンドを適切に選び、信頼性の高いコンテンツを作成することが重要です。さらに、SEOやマーケティングの知識がないと、どれだけ優良な商品やサービスであっても、十分な認知度を得ることは難しくなります。
アフィリエイターが実行可能なアフィリエイトにはどのようなものがある?
アフィリエイトには、さまざまな種類があります。以下に代表的なものを紹介します。
1. 成果報酬型アフィリエイト
成果報酬型アフィリエイト(Cost Per Sale: CPS)とは、一般的なアフィリエイトのスタイルで、アフィリエイターが紹介した商品やサービスが購入された場合にのみ、所定の報酬が支払われる仕組みです。このタイプのアフィリエイトの代表例として、Amazonアソシエイトや楽天アフィリエイトなどがあります。
2. リード獲得型アフィリエイト
リード獲得型アフィリエイト(Cost Per Lead: CPL)は、訪問者が特定のアクションを行った際に報酬が支払われるタイプのアフィリエイトです。具体例として、ニュースレターへの登録、無料トライアルの申し込み、資料請求、アンケートへの回答などがあります。このタイプは商品購入を必要としないため、アクションのハードルが低く、成果が発生しやすいのが特徴です。
3. クリック報酬型アフィリエイト
クリック報酬型アフィリエイト(Cost Per Click: CPC)は、アフィリエイトリンクがクリックされるたびに報酬が支払われるタイプのアフィリエイトです。ユーザーがリンクをクリックするだけで報酬が発生するため、コンバージョン率が低くても一定の収益を得られるのが特徴です。代表的なものとして、Google AdSenseなどがあります。
4. インプレッション報酬型アフィリエイト
インプレッション報酬型アフィリエイト(Cost Per Mille: CPM)は、広告が表示された回数に基づいて報酬が支払われるタイプのアフィリエイトです。通常、1,000回の表示ごとに報酬が発生する仕組みです。そのため、多くのトラフィックを持つウェブサイトやブログでは、特に効果的なアフィリエイトの形態と言えるでしょう。
5. 固定報酬型アフィリエイト
固定報酬型アフィリエイトは、広告主がアフィリエイターに対して、特定の期間の広告掲載費用を支払うタイプのアフィリエイトです。この形式は他のアフィリエイトとは異なり、広告主とアフィリエイターが直接交渉を行い、広告の掲載期間や広告料金を決定します。固定収入が見込めるため、安定した報酬が得られるのが特徴です。
これ以外にもさまざまなアフィリエイトの形態がありますが、いずれにしても、それぞれのタイプは異なる報酬体系やプロモーション方法を持っています。そのため、アフィリエイターは報酬を得るために、自分のスタイルや目的に合ったアフィリエイトを選ぶことが重要です。
アフィリエイターとして起業するのに必要なもの
アフィリエイターとして起業するためには、いくつかの重要な要素や準備が必要です。以下に、その主な要素を挙げます。
自身の専門分野の決定
でアフィリエイトを行っていくかを決定することからスタートします。自分が情熱を持って取り組める、あるいは専門知識を持っている分野を選ぶことで、作成・掲載するコンテンツの質を高めやすくなり、信頼性のある情報を提供できます。なお、競合が少なく需要があるニッチを見つけることも成功の可能性のひとつではありますが、出回っている情報が少ないことも多く、掲載する情報の信ぴょう性が担保できるのであれば手を出してもよいでしょう。
ウェブサイトやブログの構築
アフィリエイト収入を得るためには、アフィリエイトリンクを掲載するためのプラットフォームが必要です。たとえば、自身のウェブサイトやブログ、あるいはランディングページを構築することが一般的です。多くの人はWordPressなどのプラットフォームを利用して作成します。この際、WebデザインやSEO(検索エンジン最適化)にも注力することが重要です。訪問者が見つけやすく、使いやすく、さらに印象に残りやすいサイトを作ることで、アクセス数の増加とコンバージョン率の向上を図りましょう。
高品質なコンテンツ作成
アフィリエイトサイトやブログ、ランディングページを成功させて収入を得るためには、訪問者にとって価値のある高品質なコンテンツの掲載が不可欠です。具体的には、商品のレビューや比較記事、ハウツーガイド、専門家によるアドバイスなど、想定ユーザーにとって役立つ内容を提供することが求められます。また、訪問者が再度訪れる理由を作るためにも、定期的にコンテンツを更新し、最新の情報を提供することが重要です。
ASPへの登録
アフィリエイトを行う際に頻繁に耳にする「ASP(Affiliate Service Provider)」は、広告主とアフィリエイターを仲介するプラットフォームです。A8.netやバリューコマースなどが有名で、ASPは広告主が提供するアフィリエイトプログラムをまとめ、アフィリエイターに専用のアフィリエイトリンクやバナーを提供します。また、成果をトラッキングし、レポートする役割も担っています。
ASPに登録し、アフィリエイトリンクがサイトに貼られた時点で、アフィリエイト広告の運用が開始されます。この段階から、収益の機会が生まれます。
アフィリエイターとしての収入
アフィリエイトマーケティング協会が実施した「アフィリエイトプログラムに関する意識調査2024」によると、アフィリエイターとしての月収が1万円未満の人が64.9%にのぼり、約2/3の人が満足のいく収入を得ていないことが明らかになっています。さらに、全く収入がない人も38.4%に達し、その割合は年々増加しています。
一方で、月収100万円以上を稼いでいるアフィリエイターも約10%存在します。こうした成功者は、長年にわたってアフィリエイト活動を続けているケースが多く、アフィリエイターとして安定した収入を得るためには、時間をかけて粘り強く取り組む覚悟が求められます。
収入が得られるかどうか不安な場合は、まず企業に勤めながら副業として始め、サラリーマンとしての収入と同等の額を稼げるようになってから、独立・起業を考えるのも一つの方法です。
まとめ
アフィリエイト業界は新規参入が難しいと言われており、多くの人がアフィリエイターとしてやっていけるか不安を感じているかもしれません。しかし、株式会社矢野経済研究所の「2024 アフィリエイト市場の動向と展望」によると、国内アフィリエイト市場の規模は2023年時点で約4,116億円に達し、対前年度比で7.3%の増加を記録しています。このように、アフィリエイト市場自体は拡大傾向にあります。
そのため、これからアフィリエイターとして起業を考えている方にとっても、掲載する商品やサービスの選定、コンテンツの質の向上、SEO対策、さらにはマーケティング力を磨くことで、成功のチャンスは十分にあります。市場の成長を背景に、適切な戦略を持って取り組めば、成功する可能性が高まります。