会議を開催するとき、スムーズに進行するためにはアジェンダが不可欠です。
しかし、アジェンダの目的やメリットを把握していないと、会議で役に立つ資料とはなりません。
そこで、今回はアジェンダを作成するメリットや構成について詳しく解説します。
また、ファシリテーターが会議を進行するポイントについても紹介するので、会議の開催や進行に役立ててください。
目次
アジェンダとは?レジュメやサマリーとの違い
ビジネスの会議で使われるアジェンダとは、会議をスムーズに進めるための進行表(会議の議題や情報をまとめた資料)のことを指します。
会議を効率よく進めるために欠かせないもので、会議の前や参加しない人に共有することで、会議の内容をわかりやすくする使い方もあります。
アジェンダと混同しやすいものとして、レジュメやサマリーがあります。
アジェンダ | 会議のために、全体の流れや要点、議題をまとめたもの。 決定していないことを話し合うために用意される。 |
レジュメ | 内容の概要をまとめたもの。 既に話す内容が決まっている場合に用意される。 |
サマリー | レポートや論文などの冒頭に入れる要旨のこと。 |
レジュメは「要約や概略」という意味で、主に講演会や大学の講義などで配布される、これから話す内容をまとめた資料のことを指します。
また、就職や転職活動においては、レジュメは職務経歴書や履歴書のことを指します。
サマリーは、レポートや論文などの冒頭に入れる要旨のことで、ITの分野ではデータを集計したものを指すこともあります。
アジェンダを作成するメリット・重要性
アジェンダは、会議には不可欠なもので、会議がうまくいくかどうかは、アジェンダの出来で決まるともいえるほどです。
そのため、アジェンダ作成は、全体を見渡せる会議の招集者もしくは会議当日にファシリテーター(会議において中立的に意見をまとめ、結論に導く役割)が作成すると良いでしょう。
そこで、アジェンダを作成する重要性やメリットについて解説します。
会議の目的やゴールが明確になる
アジェンダのそもそもの目的は、会議の議題や決定する内容をわかりやすく記載することです。
1つの仕事をしているわけではないため、それぞれの会議の目的や内容を把握できていない事も多いのが実情です。
アジェンダを作成することで、会議のゴールが参加者に周知され、意識をまとめやすくする効果があります。
会議の生産性が上がる
アジェンダを会議の前に共有することで、事前に議題について考えたり意見を持ち寄ることができ、効率よく会議を進めることができます。
あらかじめ検討することや、やるべきことを整理した状態で会議がスタートできるので、決定事項も決まりやすく、時間短縮にもつながります。
また、会議で決めたい方向に進めるため、関係部署の同意を得るなど、社内調整も可能になるのも大きなメリットです。
資料の事前準備ができる
アジェンダを事前に共有することで、参加者が議題に必要な資料を準備できることもメリットの1つです。
口頭ではなく、資料があることで理解しやすく、より議題を深掘りして話し合うことが可能になります。
アジェンダの基本構成|入れるべき内容
アジェンダを作成するときは、以下の項目を入れるようにしましょう。
- 会議の名称
- 開催日時・場所
- 会議の課題・目的
- 時間配分(議題の順序)
- 参加者(氏名、人数、肩書きなど)
- アジェンダ以外の配布資料
- 備考、問い合わせ先
最初は時間がかかりますが、慣れれば15分程度で作成できるようになります。
また、定例会議でアジェンダを利用する場合、テンプレートとして残しておけば、次回以降の作成に便利なので、おすすめです。
アジェンダ作成の注意点
会議のスムーズな進行に役立つアジェンダにするため、作成のポイントや注意点について解説します。
議題は多くしすぎない
アジェンダを作成するときは、1つのアジェンダで議題を多くしすぎないように注意しましょう。
議論のための時間が不足しては、納得できる結論が得られないことにもつながります。
そのため、アジェンダに載せる議題は、優先順位をつけて時間配分を決めて余裕のあるスケジュールを汲むことが重要です。
重要な議題は長く、優先度の低い議題は短く設定し、時間内に収まらないときは優先度の低い議題を次回に回すといった方法もおすすめです。
プロジェクターで映す用に専用アジェンダも用意する
会議では、プロジェクターでアジェンダを写すことも多いでしょう。
プロジェクターでは、文字が小さすぎて見えない、色分けが見づらいといった不具合が出ないようにしなければなりません・
その場合、配布用とプロジェクター用の2種類のアジェンダを用意しておくのをおすすめします。
議事録を作りやすいアジェンダを作る
会議終了後に議事録を作成しやすいよう、アジェンダの順番を考えて記載すると良いでしょう。
議題の順番を整理して重要事項から記載することで、会議もスムーズになり、議事録作成にも役立ちます。
会議をうまく進行するためのポイント
進行役であるファシリテーターは、思う通りに進まないことも多いでしょう。
そのため、会議をうまく進行するためのポイントを理解しておくことが重要です。
ファシリテーションをするための準備
参加者の本音を引き出すためには、話しやすい環境を整えることが必要です。
議論に必要な情報を揃える、会議室のレイアウトを整えて環境整備をするなど、事前準備も怠らないようにしましょう。
また、参加者のプロフィールや関係性を把握し、会議の進め方を工夫することが大切です。
考え方や役職、参加者同士の人間関係も、会議の進行に影響します。
参加者全員が話しやすい環境になることで、会議の生産性も大きく向上します。
ファシリテーターは中立な立場を守る
ファシリテーターは、議論や目的、目標からそれた意見がでたときにも、同意や反対はせず、中立な立場で進めなければなりません。
意見をフォローしつつ、さりげなく本筋に戻すとスムーズに会議を進めることができます。
たとえば、「○○は重要ですね。□□(本題の内容)については、ご意見どうでしょうか。」などのように軌道修正すると、中立的な立場を保ちながら進行が可能です。
発言者が偏らないようにする
立場や役職が異なる人が参加する会議では、発言力が強い人の意見が目立ちやすい傾向があります。
しかし、会議は立場関係なく、さまざまな意見交換をできるよう、フラットに話せる環境にすることがベストです。
発言者の偏りをなくすには、順番に発言するように促す、議題に対して考える時間を設けるといった進行をすると良いでしょう。
議論がまとまらないときの手法を身に付ける
会議は、時に意見が対立することもあるでしょう。
ファシリテーターは、議論がまとまらないことも想定し、まとめる方法を身に付けておく必要があります。
まず、視点を変えることを提案しましょう。
ファシリテーターから見た、中立的な立場で相手に妥協点や代替案を提示するのも一案です。
例:「双方の意見を伺いました。あくまでも一例ですが、このような代替案は検討できますか?」
ほかにも、議題の最終責任者に一任して結論をまとめるのも良いでしょう。
その場合は、参加者全員に意思決定の方法を提示するよう進めることがスムーズにいくポイントです。