順応力とは何か?適応力との違いについても解説

何かに「順応する」という言葉は日常生活でもよく使うワードです。会社やコミュニティなどに属する際に、「うまく順応できるかどうか」といった具合に、溶け込むことができるか否かを表す言葉として使われます。

一般的に順応とは、「新しい環境や状況に適応すること」を指します。生物学的な文脈で使われる場合には、生物がその生存環境に適応することを指し、進化過程で生物がその生存環境に最適化されていく現象を含んでいます。また心理学的な文脈で使われる場合、人間が新しい環境や状況に精神的に適応することを指します。ストレスや困難な状況に対する対応方法を学び、それに対応する能力が含まれます。

順応と似たような言葉には、適応といったものがありますが、その意味とは似ているとはいえ厳密には異なるため、違いについて正確に知っておくと便利かもしれません。

今回は、順応力とはどんなものか?また、適応力との違いについても見ていきたいと思います。

順応力とは?

順応力とは、「新しい環境や状況に適応できる力」を言います。社会学的な観点だと、個体または集団が社会的な変化や環境に対する適応能力を指します。また新しい社会的な状況や技術、規範、文化に対応する能力も含まれています。
順応力を文脈で使う際には、「順応力がある、ない」「順応力が高い、低い」という形が取られます。たとえば、新しい職場環境に迅速に適応する能力、困難な状況を乗り越えるレジリエンス(精神的な強さ)は、順応力として考えることができます。ほかにも会社や組織においたとえば、会社や組織において、市場の変化や技術進歩、競争要因などに対し、どれだけ迅速に適応できるかを示すために「順応力」という語を使うことがあります。新しいビジネスモデルを取り入れ、それを有効に利用する能力の場合、組織の順応力として捉えられます。

たとえば、

  • 初対面の人とすぐに打ち解けられる力
  • 新しい環境でもすぐに力を発揮できる力
  • 予期せぬ出来事があった場合でも臨機応変に対処できる力
  • 多様な価値観や意見を受け入れられる力
  • 柔軟に対処することができる力

などが順応力に見られる特徴です。ある人にとっては非常に簡単に思えることでも、別の人にとっては難しいと感じるこの順応力は、ビジネスにおいての武器として、十分通用する力となり得ます。

適応力とは?

順応力と似た意味として、適応力という言葉があります。
適応力とは、今ある現状や条件に当てはめることができる力を言います。適応力は英語で「Adaptability」と言います。ちなみに順応力は英語で「Adaptivity」と言い、どちらも「adapt」から派生した言葉です。この2つはどちらも変化する環境や状況に対する対応能力を指す言葉ですが、そのニュアンスや使用される文脈には少々違いがあります。

最初に「適応力」ですが、新しい状況や変化に対応する能力を指します。これは、状況が変化した際に自分自身を修正したり新しいスキルを学んだりする能力を指すことが多いです。一方「順応力」は、新しい環境や状況に徐々に対応する能力を指します。たとえば、なにかの過程の中で次第に変化や改善を遂げる能力を強調することがこれに該当します。

順応力のある人の特徴について

順応力のある人には共通する特徴があります。たとえば、順応力のある人は変化に対してオープンであり、その変化をうまく利用するための新しい方法を探す能力を持ちます。固定的な考え方にとらわれず、状況に応じて思考や行動を変えることも可能です。
また問題や困難がある場合、それを避けるのではなく解決するための方法を模索することができます。問題を認識した上で、その解決に向けて具体的なアクションプランを実行するため、常に環境に合わせて行動できます。さらに順応力のある人は、否定的な状況や困難に直面した場合でも常に前向きな視点を保つことができます。挑戦を機会と捉えて困難から学ぶ方法を探すことも可能です。新しいことを学ぶことへの好奇心が高く、自分自身のスキルや知識を常に更新し続けるといった特徴も順応力のある人に見られる特徴です。

ビジネスにおける順応力

ビジネスにおける順応力は、企業や個々のビジネスパーソンが環境の変化や組織内変革など、さまざまな状況の変化に適切に対応し、その変化を受け入れ活用する際に必要です。たとえば、市場環境や競争状況の変化に対して迅速に戦略を見直し調整する能力や、新しい技術の出現に対応して組織のプロセスや製品を活用する能力が求められます。これらはデジタルトランスフォーメーションなどのイニシアティブを推進するために必要なスキルと言えるでしょう。
また、組織内部の変革やチームの再編に対する対応力は、新しい役割への適応やチームの変化に対する柔軟性が求められます。さらに、グローバルスタンダードな社会や多文化化が進む現代のビジネス環境では、さまざまなバックグラウンドを持つ人々とのコミュニケーションや協働能力なども重要です。

順応できないと何が起こるのか?

順応がうまくいかないと、さまざまな状況下で問題が生じる可能性があります。
たとえば、仕事上で新しい環境やストレスに対して順応できない場合、心の健康が影響を受ける可能性があります。ストレスや不安、抑うつなどの心理的な問題を引き起こし、変化に対応できなければ、普段の生活の質が低下してしまうだけでなく、人間関係や仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼすことでしょう。また、社会的な環境や状況に適応できない場合には、個人やコミュニティの活動が制限される場合があります。技術の進歩や社会的な慣習の変化、経済状況の変動などに対応できない場合に起こります。たとえば、新しいテクノロジーの吸収ができないと、ビジネス競争力が低下してしまうかもしれません。

順応力を身につける6つの方法

順応力を身につけるためには、以下の6つのステップや習慣が役立ちます。

新しい視点を持つ

世の中のすべての変化がネガティブなものでないと理解した上で行動することが重要です。変化は新たなチャンスや学びの機会を提供します。そのため、困難な状況から何を学べるかを見つけることで順応力を高めることが可能となります。

ストレスマネジメントを習得する

ストレスは変化とともにやってくるものであり、それを上手く管理する能力は非常に大事です。リラクゼーション技法や適度な運動、健康的な食生活、十分な睡眠などによりストレスを上手に管理することで、順応力を高めることができます。

問題解決能力の向上

想定外の問題や困難に直面した時に、冷静に対処し解決策を見つける能力は順応力に直結します。たとえば、問題解決のスキルを磨くことで、あらゆる状況に対応する自信を持つことが可能です。

持続的な学習を行う

常に新しい知識やスキルを学ぶことで、変化に対する恐怖を軽減し、順応力を強化することができます。学びといっても、仕事上の経験や日々のニュースの収集など座学によるものでなく、日常生活の中から取り入れられるものでかまいません。

感謝の心を持つ

自分の周囲に起きる良いことへの感謝は、ポジティブな視点を保つのにとても役立ちます。そして困難な状況をより良い視点から見る助けともなり、順応力を高めるのに重要です。

ネットワークを築く

信頼できる人々とのネットワークを築くことは、困難な状況を乗り越えるのに役立ちます。新たな視点を得たり、必要な支援を受けることができるかもしれません。
順応力は一晩で身につくようなものではありませんが、これらのスキルや習慣を練習して身につけることで、時間とともに向上させることができます。

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