創業、創立、設立:それぞれの違いを詳しく解説!

会社の「創業」「創立」「設立」という言葉は頻繁に耳にすることがありますが、これらの違いを正確に理解している人は意外と少ないでしょう。これら3つの言葉はすべて会社の立ち上げに関連していますが、それぞれに独自の意味があります。

これらの言葉が正確に使われることを確認するために、本記事では創業・創立・設立の違いについて詳しく説明していきます。

創業・創立・設立の定義

まずはじめに、創業・創立・設立のそれぞれの言葉が以下のような意味を持つことを理解しましょう。

創業:事業の開始日
創立:組織や機関を設立し、事業を開始すること
設立:商業・法人として登記すること

一般的には、創業の後に創立と設立が続くと考えられます。

創業とは?

創業(そうぎょう)とは、新しいビジネスや企業を立ち上げることです。法人格がなくても何らかの事業を開始した日を指します。法人登記前の準備期間や個人事業主としての期間も含まれます。

創業には、ビジネスアイデアの開発、資金調達、事業計画の作成、法人設立や事業登録など、さまざまなプロセスが含まれます。創業者は、新しい商品やサービスを市場に投入し、顧客ニーズに応えることを目指します。創業は、経済発展や雇用創出に貢献するだけでなく、個人のキャリアや人生においても重要な選択となります。

創立とは?

創立は、初めて組織や機関を設立し、事業を開始することを指します。開業届や法人登記は不要であり、企業だけでなく学校や団体なども該当します。ただし、企業の場合には設立が一般的に使われる言葉です。

創立は創業と似ているように見えるかもしれませんが、その大きな違いは組織や機関の存在です。組織を持たない個人事業主の場合、創立は使用されません。また、既存の企業から子会社を設立する場合や新規事業を開始する場合も、創立とは言いません。

設立とは?

設立は、商業・法人として登記することを意味します。設立は法律で定められた手続きが必要であり、創業や創立とは異なります。創業や創立は日付が多少あいまいでも問題ありませんが、設立に関しては法人登記を申請した日が明確に記録されます。

法人の設立にはいくつかの手続きが必要です。定款の作成、株主の確定、取締役の選任などが行われます。その後、公証人による認証を受けて、登記申請が受理されます。

創業と設立の日付が大きく異なることは必ずしも問題ではありません。なぜなら、法人として登記された日が設立日となるため、例えば個人事業主が法人化する場合や、会社勤めの傍ら起業準備を行っていたが、すぐには退職できず時間がかかった場合など、タイムラグが生じることがあります。

重要なのは設立

会社や法人において、創業・創立・設立の中で最も重要なのは設立です。設立を行うことで法人は初めて社会的な意義を持ちます。設立日は法務局に提出された「登記書類の日付」になります。しかし、「登記完了日」と混同されることがよくあり注意が必要です。
最近ではオンライン申請も可能になっており、特定の日に設立日を合わせたい場合は申請方法に注意が必要です。

法務局の窓口での申請:提出した日
郵送の場合:申請書が法務局に到着した日
オンライン申請の場合:登記データが受理された日

法務局は土日祝日が休みであり、申請や処理は行われません。開局時間は平日の8:30~17:15までです。日付にこだわる場合は窓口申請が確実です。

創業・創立・設立の使い分け

創業・創立・設立の違いや定義を理解した上で、それぞれの適切な利用シーンを見ていきましょう。

歴史をアピールする場合:創業・創立を使用

会社の長い歴史を強みとしてアピールする際には、創業や創立を使うと良いでしょう。例えば、創業が数百年前の会社でも、設立は昭和以降の場合があります。そのため、老舗企業は創業・創立をアピールポイントとして活用しています。

新規に会社を立ち上げる場合:創立・設立を使用

新しい会社を立ち上げる場合、創立や設立が一般的です。厳密には登記時点が会社設立ですが、広義では創立も含めて問題ありません。

類似の言葉

創業・創立・設立以外にも、新規事業を始める際に使われる言葉がいくつかあります。基本的な意味を理解して適切な場面で使用しましょう。

独立

独立は会社を退職して自分で事業を始める際に使われる言葉です。会社を辞める段階で個人事業主か法人を立ち上げるかは決まっていなくても、独立の意志を持ち事業を始めた時点で独立とみなされます。しかし、会社勤めや学生が事業を始める場合は、独立する母体がないため独立とは言わないことが一般的です。

起業

起業は「事業を起こすこと」を意味します。創業と類似していますが、創業は事業開始時期を伝えるのに対し、起業は未来に向けた事業展開を伝える言葉です。法人を設立する場合に起業と言うことが多いですが、個人事業主も「起業しました」と使うことがあるため、厳密な区別はありません。

開業

開業(かいぎょう)とは、個人や法人が新しい事業や店舗を立ち上げ、営業を始めることです。開業は、創業と似ていますが、開業は主に個人事業主や独立した専門家が対象となることが多いです。医師や弁護士、美容師、飲食店経営者などが開業することが一般的です。

開業には、事業計画の立案、資金調達、適切な場所の選定、許可や登録手続き、顧客獲得などのプロセスが含まれます。開業は、自分のビジネスを運営し、自分の力で収入を得ることを目指す人々にとって重要なステップです。

個人事業主は「個人事業の開廃業届出書」を提出するため、開業という言葉が使われます。また、病院の開業などでも使用されます。

立ち上げ

新しい事業やプロジェクトを始めること。企業や個人が新たなビジネスチャンスを探し、事業を立ち上げることを指します。

ベンチャー

新興企業や革新的なアイデアをもとに事業を立ち上げること。特に、技術革新や独自のアイデアを活用し、成長が期待される企業を指します。

創業・創立・設立の使い分けに注意しよう

創業・創立・設立は似た意味を持つものの、使う場面や事業形態によって適切な言葉が異なります。類似した言葉も存在し、普段使っている言葉の微妙な違いに気づくことができるかもしれません。

これらの言葉を使う場面は、会社の設立時、登記や契約時、個人事業主の開業届提出時などですが、些細な勘違いが大きな問題に発展することもあります。意味を理解し、適切な場面で使用することが重要です。

まとめ

創業・創立・設立という言葉は、会社の立ち上げに関連する用語ですが、それぞれに独自の意味があります。創業は、新しいビジネスや企業を立ち上げることを指し、創立は組織や機関を設立し、事業を開始することを表します。そして、設立は商業・法人として登記することを意味します。これらの言葉を正確に使い分けることは、会社の運営において非常に重要です。

創業者は、新しい商品やサービスを市場に投入し、顧客ニーズに応えることを目指します。創業は、経済発展や雇用創出に貢献するだけでなく、個人のキャリアや人生においても重要な選択となります。

創立は、組織や機関を設立し、事業を開始することを指します。創立は、創業と似ているように見えるかもしれませんが、その大きな違いは組織や機関の存在です。設立は、商業・法人として登記することを意味します。設立には、定款の作成や株主の確定、取締役の選任などが必要です。創業と設立の日付が異なることは必ずしも問題ではありませんが、法人として登記された日が設立日となるため、注意が必要です。

創業・創立・設立という言葉の使い分けは、会社の立ち上げや運営において非常に重要です。類似した言葉も存在し、使い分けに注意が必要です。例えば、創業と創立は、会社の長い歴史をアピールする場合に使用することが多いです。新しい会社を立ち上げる場合は、創立や設立が一般的です。

これらの用語を使う場面は、会社の設立時や登記、契約、個人事業主の開業届提出などですが、意味を理解し、適切な場面で使用することが重要です。創業・創立・設立を正確に使い分けることで、会社の運営を円滑に進めることができます。

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