経営コンサルタントとして起業する方法

「コンサルタント」と名の付く仕事は数多くありますが、その中でもよく耳にするのが「経営コンサルタント」です。

経営のプロとして活躍するイメージがありますが、その実態やどのような仕事内容なのか、どれくらい稼げるのかについてはっきりとわかっている人は少ないのではないでしょうか。

実際、脱サラして経営コンサルタントとして活躍するにはどのような手順を踏んだらよいのでしょうか?

今回は経営コンサルタントとして起業する方法について見ていきたいと思います。

経営コンサルタントとは?

経営コンサルタントとは、企業や組織に対して経営の改善や効率化を図るための助言や提案を行う専門家のことを言います。

企業が日々直面する経営課題や戦略的な意思決定をサポートし、成長や持続可能な発展を実現するための具体的な解決策を提供するだけでなく、業界や市場の動向を分析し、財務、マーケティング、組織運営、リスク管理など多岐にわたる分野で企業の問題を解決、経営目標の達成をサポートします。

また、経営コンサルタントはクライアント企業の経営陣と密接に連携し、短期的な業績向上や長期的な戦略策定に向けたアドバイスを行うだけでなく、時には新たなビジネスモデルの提案や組織改革の推進も行います。

よくコンサルタントは、「本でかじった内容を喋っているに過ぎない」「実務経験がない」と言われます。

つまり机上の空論を振りかざし、理想論を述べるだけの経営コンサルタントも数多くいるのも事実なのです。

そのため、理想としては経営コンサルタントとなるにあたり、自身で会社経営を行った経験があることが非常に望ましいです。

経営コンサルタントに必要なスキルとは?

経営コンサルタントに必要なスキルには、いくつかの要素があります。

問題解決能力

ビジネスにおいて、問題解決能力の有無は業務遂行をスムーズに行うために必要な能力です。

クライアントが抱える課題を正確に分析して、的確な解決策を見出すことが経営コンサルタントには求められます。

そのためには、データ分析や論理的思考力が備わっていることが重要で、それらの能力を駆使し戦略的な解決策を立案できることが求められます。

コミュニケーションスキル

経営コンサルタントにかかわらず、どんなビジネスおいてもコミュニケーションスキルは欠かせません。

クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションを通じて、提案内容を的確に伝える能力は必要です。

打ち合わせでの口頭説明やプレゼンテーションのほか、レポート作成など書面においてのコミュニケーション能力も求められます。

コンサルティングを行う業界の知識

さらに、業界知識に関する深い理解も必要となります。経営コンサルタントは、さまざまな業界の企業をサポートすることがあります。

もちろん、専門とする業界はコンサルタントによってはあるかもしれませんが、いずれにせよその業界固有のビジネスモデルや市場動向について理解していなければ、クライアントに対して有効なアドバイスを提供することはできません。

また、リーダーシップやプロジェクト管理能力も必要です。複数のステークホルダーやプロジェクトチームをまとめ、タイムラインや目標を設定し、それを達成するためのプロセスをリードする力が求められます。

最後に、柔軟性や適応力も重要です。クライアントごとに状況や問題が異なるため、それぞれに応じたアプローチや解決策を考え出し、環境の変化にも迅速に対応できる能力が必要です。

経営コンサルタントが持っておくと有利な資格

経営コンサルタントは資格が必要な仕事ではありませんが、業務上持っておくと有利な資格はあるようです。

そのような資格をサラリーマン在職中に取得しておけば、いざ起業して経営コンサルタントとして活動する際に、他のコンサルタントに対して優位に立てる可能性があります。

ただし、資格試験はあくまで業務知識を持っていることを証明することにすぎず、実務経験に勝るものはありません。

MBA(経営学修士)

一時期に比べるとあまり耳にしなくなった感のあるMBAですが、経営やビジネスの幅広い知識を体系的に学ぶことができるため、経営コンサルタントとしての基礎力を高める資格としては最適です。

経営戦略やマーケティング、財務、組織運営など、コンサルティング業務に直結する分野を網羅しており、非常に役に立つこと間違いなしです。

最近では海外のMBAでなく、日本国内の大学でも働きながらMBAが取得できるところが増えています。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして活躍するのには最適な国家資格と言えるでしょう。

中小企業の経営改善や経営戦略立案に特化しており、特に中小企業のコンサルティング業務に従事する際に役立ちます。

ただ、資格取得難易度が高く時間や費用がかかる点が取得におけるネックとなりそうです。

公認会計士

財務や会計に関する高度な知識が求められるクライアントに対し、信頼性の高いアドバイスを行うのに公認会計士の資格が役立ちます。

主に財務コンサルティングや企業再生の分野で強みを発揮すると言われています。

IT系資格(ITIL、CISAなど)

特にIT系企業において経営コンサルタントとして活躍したいなら、情報システムやデジタル戦略に関する資格は有益となります。

最近ではDX化や生成AIなどが叫ばれるようになり、IT戦略に関わるコンサルティングニーズは高いようです。

たとえばITIL(ITサービス管理)やCISA(情報システム監査人)などを取得しているとよいでしょう。

経営コンサルタントとしての収入

経営コンサルタントといえば、外資系コンサルを思い浮かべる人も多いでしょう。それらの企業で働ければかなりの年収が期待できるに違いありません。

しかし、自身で起業し経営コンサルタントとして生計を立てていこうと思ったら、会社の看板のない状態から、自身の営業活動や人脈を頼り、事業を広めていく必要があります。

個人として独立し、経営コンサルタントになった方の年収相場を表したデータは存在していないようですが、結論から申し上げるとピンキリです。

全く収入を稼げない人がいる一方で年収2,000~3,000万を稼ぐ経営コンサルタントもいます。

また、業種によっても収入は異なるようで、IT系コンサルタントやM&Aコンサルタント、財務会計コンサルタントなどの業種特化型の経営コンサルタントのほうが依頼を受けやすくなるといったメリットがあるようです。

まとめ

経営コンサルタントとして起業しても、すぐに仕事が来ないこともあるでしょう。

起業前にコンサルティングファームなどに勤めた経験のある方でも、仕事がなかなか取れない厳しい現実が待っているかもしれません。

しかし、あきらめずに営業活動を行い、実績を積んでいくことで、安定した収入を徐々に掴んでいくことができるようになるはずです。

そのためにも、自分が得意な分野においてのコンサルティングに特化すること、法人顧客獲得に精を出すこと、さらには人脈形成のためにいろんな場所に顔を出すなど、当たり前のことを実直にこなしてくことが必要です。

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