議事録とは?議事録の書き方(会議前~議事録作成の流れ)

社会人であれば作成することも多い議事録ですが、正しい書き方やポイントがわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

議事録は後から見返すこともあるため、自分以外の人が読んでも要点がわかりやすく記載しておくことが重要です。

そこで、今回は議事録の基本的な構成や書き方のポイントを解説します。

議事録とは?

議事録は、会議やミーティングの際に行われた議論や決定事項を正確に記録する文書のことです。

主な目的は、参加者が会議の内容を後で振り返り、意思決定やアクションアイテムを追跡できるようにすることです。

議事録の種類

議事録とは、一般的に社内会議やクライアントの打ち合わせ内容をまとめたものが多いです。
しかし、法律で作成が義務付けられている議事録もあるので注意が必要です。

  • 取締役会議事録
  • 創立総会議事録

取締役会議事録

取締役会議事録とは、取締役会を行うごとに作成が義務付けられた法定文書のことです。

記載内容や作成方法についても会社法で定められており、取締役会の日から10年間保管が必要など、さまざまなルールがあります。
そして、適法に作成や保管していない場合、民事・刑事の両面で責任を追うリスクもあるので、必要な内容を漏らさず作成・管理しなければなりません。

創立総会議事録

法人設立における会社登記の申請には、創立総会議事録が必要となります。

創立総会議事録は、株式会社として会社を設立するときの役員選任方法などが記載されるもので、会社登記の資料や関係者のトラブル防止の意味があります。

議事録を記録する必要性

会議において議事録を残すかどうかは、業務に大きな影響を与えます。
議事録の必要性を理解しておくことで、議事録作成にも役立つので理解しておきましょう。

責任の所在が明らかになる

議事録は、責任の所在を明確にするといった目的もあります。

会議においては、課題やトラブルについて責任者が明確に割り振られますが、特定の担当者がいない業務では責任の所在が曖昧になりやすいです。
そのため、やるべきことを他人任せにしたり、期日までに業務が終わらない、誰かに作業が偏るといった問題が生じます。
議事録があることで「何が決定した・していない」「いつまでに誰が決めるのか」というタスクが明確にできるというメリットがあります。

優先順位が明確になる

仕事には優先順位があり、重要かつ早急にやるべき仕事と、すぐにやらなくてもよいが時間がかかる業務など、さまざまな業務を抱えているものです。

議事録がない場合、優先順位が曖昧になり、重要事項の進捗にも大きく影響を与える可能性があります。

業務の効率化になる

議事録を作成することで、会議や打ち合わせの内容を伝える手間が省ける上、正確に内容を伝えることが可能です。
口頭の説明では時間もかかり、情報が誤って伝わってしまうリスクがあります。

会議の内容を正しく理解できないと、業務を進める上で方向性を誤ってしまうなど、業務効率が下がることも想定されます。

議事録の基本構成

議事録の基本構成と、記載する詳細をまとめました。

必須項目 記載の注意点
会議名 会議の目的がひと目でわかるように記載する
日時、場所 ・省略せず正しく記載する

・過去の議事録と表記を合わせる

参加者名 ・記載順はお客様役職が上の人から順番に記載する

・名前はもちろん、部署や役職も載せる

会議の内容 ・議題ごとにわかりやすくまとめる

・会議の内容を正確に記載する

決定事項 「目標は○○万円」など重要な数字を漏らさず記載する
決定に至るまでの賛成意見・反対意見 ・発言した参加者名も明確に記載する

・反対意見も重要な意見なので記録しておく

アクションプラン 会議後に行うタスクを記載する
保留事項 決まっていない議題を記録する
次回の会議予定 ・次回の会議の日程を書く

・決定している事項(場所や参加者)も記載しておく

会社や部署によってはフォーマットがある場合もあるので、内容に沿って記載すると良いでしょう。

議事録の書き方(会議前~議事録作成の流れ)

会議前に事前準備をしてくと、要点がつかみやすくなり、より議事録作成もスムーズに進みます。

会議前:事前準備をしておく

議事録を作成するには、事前準備をしておくと良いでしょう。

  • 過去の議事録を見直して書き方を押さえる
  • フォーマットや構成を用意する
  • 会議の目的や今までの議題を把握する
  • わからない単語があれば調べておく

会議によっては、途中から参加するプロジェクトやフォーマットが異なることもあります。
その場合は、議事録の構成や過去の会議の流れなどを頭に入れてから会議に臨むと、要点を押さえやすくなります。

要点がわかっていれば、会議中も重要な箇所を聞き逃さずに、議事録の作成もしやすくなるでしょう。

会議中:メモやICレコーダーで記録する

会議中はメモを取ることに集中し、重要事項を聞き逃さないようにします。

  • 実施日や細かい数字は漏らさない
  • 聞き取れなかった箇所があれば、後で確認できるよう印をつけておく

クライアントとの打ち合わせであれば、「メモを取らせて頂きます」と伝えておくと失礼になりません。

また、社内の会議であれば、ICレコーダーで録音しておくと聞き逃しがなく安心です。

会議終了後:記録した内容を整理する

会議終了後は、なるべく記憶が新しい間にメモを整理します。
ポイントは以下の通りです。

  • 発言者など重要な情報が抜けていないか
  • 省略しがちな主語、述語を補足する
  • 議題ごとに整理する

会議を終えてすぐメモを整理することで、情報を正確に、かつ「質の高い議事録」に仕上がります。

議事録を作成する

整理したメモを参考に、フォーマットや議事録の基本構成を漏らさず書いていきましょう。

議事録を作成した後は誤字脱字や内容に誤りがないか見直し、上司の確認後、関係者に議事録を共有することで完了となります。

議事録のポイント

最後に、議事録の書き方のポイントを確認しておきましょう。

会議の要点・目的を理解しておく

議事録作成は、会議前の事前準備から始まります。
「何を目的とする会議か」を理解し、準備を整えてから会議に臨みましょう。

特に、5W2Hを意識し、事前にわかるところは会議の前に調べて明確にしておくと良いです。

  • Why(なぜ)
  • What(何を)
  • When(いつ)
  • Who(誰が)
  • Where(どこで)
  • How(どうやって)
  • How much(いくら)

メモを正確に大量に取っておく

議事録作成には、メモがどれくらい取れるかによって質の高い議事録になるかが決まります。
とはいえ、会議中の会話すべてを書きとることはできないため、うまくメモを取るコツを押さえておきましょう。

たとえば、「〇月〇日 〇時までに ○○部長へ提出」、「課長:もっとわかりやすい目標に変更する」など、数字や誰が発言したのか、ということも忘れずに記載します。

会議の最中に聞き取れなかったことやわからないことは、その場もしくは会議終了後に確認できるようマークをしておくと後から確認しやすいです。

スピード最優先で当日中に仕上げる

議事録は、スピード最優先で当日中、なるべく早く仕上げることが重要です。
会議から時間が経てば経つほど、記憶が薄れてメモの読解に時間がかかったり、内容を忘れてしまう可能性もあります。

また、議事録は会議に不参加の社員にも共有されるため、業務への進行にも影響します。
そのため、可能であれば会議から1~2時間程度で作成して共有できると良いでしょう。

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