ビジネスメールの返信は、円滑なコミュニケーションを維持するために重要なスキルです。
とくに受信後24時間以内の返信は必須で、迅速かつ正しいマナーで送信することが求められます。
そこで、今回はビジネス返信メールの基本マナーとシーン別の返信例を紹介します。
目次
ビジネス返信メールの基本マナー
仕事を行うときには毎日使う人も多いメールですが、社会人になると理解しておきたい基本的なマナーがあります。
慣れるまでは時間がかかりますが、慣れれば効率的に好印象を与えるメールが作成できるようになります。
まずは、ビジネスメールの返信について基本マナーを抑えておきましょう。
返信はなるべく早く、遅くても24時間以内には送る
ビジネスでは、相手の業務が滞らないようできるだけ早い返信が求められます。
タイミングが合わないときも、遅くても24時間以内には返信するのがマナーとされています。
メール内容に対してすぐに回答ができない場合は、「いつまでに回答できるか」を明記すると相手にも好印象を与えられるでしょう。
返信には件名の「Re」は残す
ビジネスメールの返信をするときは、件名の「Re」は残したままにしましょう。
Reを見て返信メールであると判断することも多く、消してしまうと確認漏れや誤解を与えかねないので注意が必要です。
また、同じ話題でやり取りが継続するときに「Re:Re:Re・・」と何度も追加されてしまう場合は「わかりやすくする」というマナーのもと、「Re」をひとつだけ残して削除すると良いでしょう。
受け取ったメールが「CC」なら返信は不要
自分宛に「CC」でメールが届いたときは、基本的に返信の必要がありません。
メールの宛先には「To」「CC」「BCC」の3種類があります。
- To:返信がほしい場合、作業を依頼する場合など
- CC:関係者全員への情報共有、上司への仕事の進捗共有
- BCC:CCに入れないけど情報共有したい場合
必ず返信が必要なのはTo、場合によってはCCも含まれます。
BCCは情報共有として使用することが多いので、返信はしなくて良いケースがほとんどです。
業務時間外にメールはなるべく送らない
ビジネスメールの返信をするときは、相手の業務時間外にはなるべく送らないようにしましょう。
クレームや早急に返信を求められているなど、どうしても送る必要がある場合は「夜分遅くに失礼いたします。」「返信は○○日までにご連絡いただければ幸いです。」など、相手への気遣いを感じさせる文面にすることを心がけましょう。
送信前に誤字脱字チェックをする
ビジネス返信メールを送信する前に、内容の確認と誤字脱字がないかは必ずチェックするクセをつけましょう。
とくに、名前や社名に誤字があるとメールを受け取った相手に「誤送信ではないか」と混乱させるうえ、非常に失礼にあたるので注意が必要です。
要点・結論をわかりやすくまとめる
ビジネスでは多くのメールのやり取りが必要になるので、要点・結論をわかりやすくまとめるのがマナーです。
すぐに返信がほしいメールの件名には「重要」「ご質問」など、メールの内容をひと目でわかるように文言を入れましょう。
また、本文は結論から記載するとわかりやすくなります。
ほかにも、できるだけ箇条書きにして要点をまとめるのも効果的です。
メールを終了するときはやり取りを始めた側が基本
ビジネスメールでは、メールを最初に送った側が終わらせるのが一般的です。
自分が送った側でメールを終わらせるタイミングがわからないときは、要件が終わったら「ご質問がなければ返信は不要です」などを末尾に添えて、スマートに終わらせられると良いでしょう。
ビジネスメールの返信で引用したいとき
ひとつのメールで複数の内容をやり取りする場合や、複数の依頼を受けた場合は「文章を引用して返信」するとわかりやすくなります。
たとえば日程調整でいくつか候補を出してもらっている場合には、以下のように返信しましょう。
例文
>◯月◯日(◯曜日)11時
日程の候補をご連絡いただきありがとうございます。
こちらの日程でお願いできれば幸いです。
引用する場合は相手の文章をコピーし、引用した文章の頭に「>」を入れるのが引用している証です。
相手も何に対しての回答かわかりやすくなるうえ、文章を一から考える手間も減るのでぜひ覚えておきましょう。
返信メールの書き方・例文
では、具体的に返信メールの書き方を見ていきましょう。
ビジネスメールには、お礼メール、お詫びメールなどシーンによって書き方のポイントが異なります。
シーン別に例文を紹介するので、返信するときの参考にしてください。
引継ぎの挨拶の返信
引継ぎの挨拶の返信には、現担当者への感謝の気持ちと新担当者への配慮を記載しましょう。
例文
株式会社○○
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の青木です。
この度は、担当者変更のご連絡をいただきありがとうございます。
○○様にはこれまで大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
新しい担当者である□□様のご紹介もありがとうございます。
□□様、はじめまして、株式会社○○の青木です。
今後、貴社とのお取引においてご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
引き続き円滑に業務を進めていくために、何かご不明な点やご質問等がおありでしたらお気軽にご連絡ください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
お礼・感謝を伝える場合
お礼や感謝を伝えるメールは、相手への感謝や配慮が伝わるような内容にすると良いでしょう。
例文
株式会社○○
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の青木です。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
打ち合わせでは【具体的な内容】についてご説明いただき、大変参考になりました。
今後とも、お力添えいただきたく存じます。
何かご不明点がおありでしたら、お気軽にご連絡ください。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。
謝罪やお詫びに対しての返信メール
謝罪やお詫びに対しての返信メールのポイントは、相手の謝罪を受け入れた上で対応に対しての感謝の気持ちを伝えることです。
例文
株式会社○○
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の青木です。
この度は、納品遅延に関するお詫びのご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
また、ご多忙の中、本件の原因調査や再発防止策についての詳しいご報告を賜り大変ありがたく存じます。
本件に関連して弊社でも各種トラブルの予防策や手続の見直しを検討してまいりますので、貴社におかれましても弊社とのやり取りの中で気になる点やお困りのことなどありましたら、遠慮なくお知らせくださいませ。
引き続き、円滑な業務が進むよう、貴社との協力を深めてまいりたいと考えております。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
日程調整をお願いする場合
打ち合わせなどで提示された日程が合わない場合の日程調整をするメールの例文を紹介します。
ポイントは候補の日時を先に提示し、難しい場合は他の日程を提案してもらうように依頼しましょう。
例文
株式会社△△
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の青木です。
打ち合わせの日程調整についてご連絡申し上げます。
下記の内容でお打ち合わせをお願いしたく存じますので、ご都合のよい日時をお知らせくださいませ。
打ち合わせ内容
- 議題: ○○プロジェクトの進捗確認
- 参加者: 貴社担当者様、弊社担当者
- 場所: 貴社オフィス(またはオンライン会議)
以下の日程の中から、ご都合の良い時間帯をお選びいただければ幸いです。
〇月〇日(〇)10:00~12:00
〇月〇日(〇)13:00~15:00
〇月〇日(〇)16:00~18:00
もし上記の日程が難しい場合は、他の日程をご提示いただきたく存じます。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
まとめ
今回は、ビジネス返信メールのマナーや実際のメール返信の例文について解説しました。
毎日のように仕事でメールを使う人も多い一方、それを苦手に感じる人も少なくないようです。
しかし、今回ご紹介したような型を理解して頭の隅に置いておけば、きっとスムーズに対応できるようになります。テンプレートをスマホやPCのメモに残しておくと、いざというときにも心強いでしょう。
メール対応では、相手に安心や信頼を感じてもらうことが大切です。そのためにも早めの返信を心がけ、たとえ詳しい返信がすぐできないとしても決して放置せず、「いつまでにお返事します」とまずは簡単にでも返して誠意を伝えてください。
そうすれば、その後丁寧に返信内容を検討したり、上司や同僚に相談したりする余裕も生まれます。
この記事を参考に、取引先に好印象を与えるメールを作成してください。