近年はライフスタイルの多様化や晩婚化が進む中で、積極的に婚活に取り組む人が増えています。婚活市場においては婚活アプリやサイトへの登録、婚活パーティーやイベントへの参加、結婚相談所の活用などが一般的ですが、このように婚活を行っている人々への支援事業として婚活アドバイザーとして起業する人も少なくありません。
今回は婚活アドバイザーで起業する方法について見ていきたいと思います。
目次
婚活アドバイザーとは?
婚活アドバイザーは、結婚を目指す人々をサポートする専門家です。結婚相談所やマッチングサービスなどを通じ、利用者の性格や希望を理解した上で、理想に近い相手を見つけるお手伝いをします。結婚アドバイザーと称されることもあります。
婚活アドバイザーが活躍できる背景として、日本では晩婚化や未婚率の上昇が顕著になっています。キャリア志向の高まりやライフスタイルの多様化により、結婚を急がず自分の時間を大切にする人が増えました。しかし、年齢を重ねるにつれて出会いの機会が減り、「結婚したいけれど出会いがない」と感じる人が多くなっていくのが現実です。
特に東京をはじめとした都市部では人間関係が希薄になり、日常生活の中で自然にパートナーを見つけるのが難しくなっており、「恋愛を経て結婚」という流れが崩れつつあります。これによって効率的に結婚相手を探せるサービスへの需要が高まっています。
婚活アドバイザーになるのに年齢や性別に特別な制限はありませんし、活動するために必須の資格はありません。人とのコミュニケーション能力や共感力、サポート力が重視されるため、性別や年齢に関わらず活躍できるのが婚活アドバイザーの特徴であり、むしろ年齢や性別によって強みが異なり、それが差別化のポイントになることがあるとされています。
たとえば、年配の婚活アドバイザーであれば人生経験を活かして深いアドバイスができるため、同年代や年齢層の高いクライアントから信頼を得やすいですし、若い婚活アドバイザーであれば最新のトレンドに敏感で、若年層の顧客に寄り添ったサポートが得意かもしれません。
また、性別に関しても男性アドバイザーと女性アドバイザーではアプローチ方法が異なり、それぞれの視点で的確なアドバイスできます。男性目線、女性目線の両方が求められる場面も多く、性別の違いが強みになることがあります。
婚活アドバイザーの仕事の流れ
婚活アドバイザーの仕事は次のような流れで進んでいきます。これは結婚相談所へ所属している場合、自身で起業した場合において基本的には同じです。
1.カウンセリングと目標設定
婚活アドバイザーはサービス利用者と面談し、結婚観や理想のパートナー像を丁寧にヒアリングします。過去の恋愛経験や悩みも掘り下げ、結婚に向けた目標を具体化します。恋愛経験が少ない人には、自信を持てるよう精神的なサポートも行います。
2.利用者のプロフィール作成
利用者の魅力を最大限に伝えるプロフィールを作成します。外見だけでなく、価値観や趣味、結婚への思いなどをしっかりと反映させていきます。写真撮影や自己PRのアドバイスも含まれることが多いです。
3.相手の紹介とマッチング
利用者の希望条件をもとに、相性が良さそうな相手を紹介していきます。ただ条件が合うだけでなく、将来のビジョンや価値観が重なることを重視します。また、お見合いや初対面の場をセッティングして日程や場所の調整も行います。
4.初対面の準備
利用者同士の初めての出会いに際し、デート時の服装や会話のポイント、マナーなどを具体的にアドバイスします。人によっては異性に慣れていない人もいますので、コミュニケーションが苦手な人には会話の練習やロールプレイを通じて実践的なサポートを行うこともあります。
5.お見合いや婚活イベントへの参加
婚活アドバイザーが主催するお見合いや婚活パーティーに参加してもらい、多くの人と出会える機会を増やし、自然な雰囲気で交流できるようにサポートしていきます。
6.交際開始とフォローアップ
交際が始まった後も、婚活アドバイザーが二人の関係を支援します。デートの頻度や連絡の仕方など、交際がスムーズに進むようアドバイスするなど、不安や悩みがあればいつでも相談できる環境を提供していきます。
7.プロポーズと結婚準備
婚活アドバイザーは、交際が順調に進んだ段階でプロポーズのタイミングや方法についてもサポートします。結婚式の準備や家族への挨拶など、結婚に向けた最終的な支援を期待される大事な役割を持っています。
8.成婚・アフターフォロー
晴れて成婚となった後も、婚活アドバイザーが新生活に向けたアドバイスや夫婦関係のサポートを続ける場合があります。安心して結婚生活をスタートできるよう、長期的なフォローを行えるというやりがいがあります。
婚活アドバイザーとして起業するメリット
婚活アドバイザーとして起業するメリットは、自分のスキルや経験を活かして人の幸せをサポートできる点にあります。仕事柄人との関わりが多いため、感謝される機会が多くやりがいを感じやすい仕事といえるでしょう。
また、柔軟な働き方が可能で自分のペースで事業を進められることも魅力の一つです。婚活市場は拡大傾向にあり、需要が高まっているためビジネスチャンスも豊富にあります。フランチャイズのように大手サービスとの提携や独自のサービスを展開することで収益を上げやすく、自分のブランドを確立することも可能です。人脈を広げることで新たなビジネスの機会が生まれる可能性があるのも婚活アドバイザーとして起業する大きなメリットと言えるかもしれません。
さらに、初期投資が少なく事業化できるのも大きなメリット。たとえば、レンタルオフィスやシェアオフィスを活用すればイニシャルコスト・ランニングコストともに抑えることができます。利用者と面談する場所が確保できれば仕事として十分成り立ちますが、面談内容が外部に漏れないよう、防音対策が施されているなどセキュリティ面にも配慮したオフィス選びが必要です。
婚活アドバイザーとしての収入
婚活アドバイザーとして起業するにあたって、どれくらいの収入が見込めるかは生活できるレベルの事業化できるかを検討するうえで非常に重要なポイントの一つ。婚活アドバイザーとして独立する場合、フランチャイズに加盟する方法と完全独自スタイルで事業化するかによっても変わってきますが、婚活アドバイザーとしての収入の基本は入会金や成約手数料になるため、いかに会員数を増やし成約に結びつけるかが大事です。
会員数が増えれば収入も増えますが、その分一人で対応できる人数に限界が生じることからスタッフ雇用も検討しなければならず、その分人件費も増えます。一般的に婚活アドバイザーの年収は300~400万と言われていますが、事業が軌道に乗れば年収1,000万も夢ではありません。
まとめ
ビジネスコミュニケーション力が非常に高く、相談者の気持ちに寄り添える人であれば、婚活アドバイザーの職種は天職かもしれません。相手の話をしっかりと聞き出し、悩みや希望を引き出す力を使って、結婚の成約に結びつけることができることでやりがいを得ることができるでしょう。ただし、思うように成果に結びつかないことも多々ある職種ですので、決して感情に振り回されず冷静沈着に対応できることが婚活アドバイザーには必要です。