お客様や上司と食事に行った際、どこに座ったらいいかは気になるポイントのひとつ。テーブル席や和室、円卓、カウンターなどにおいても席次は重要とされており、誤った席に誘導してしまうことでお客様や上司の気分を害してしまうこともあるかもしれません。
そうならないためにも、食事の際の基本的な席次については知っておきたいところですし、席次以外にマナーについても把握しておきましょう。
目次
席次とは?
席次とは、公式な場や会合、儀式、宴会などでの座る順序や位置を指し、序列や立場、役職などに応じて決まる座席の配置のことです。
日本の文化では、社会的地位や立場に基づいて座る場所が決められることが多く、礼儀や敬意を示すために重要な要素とされています。
ちなみに、一般的に上座は入り口から遠い場所、下座は入り口に近い場所とされます。
ビジネスにおいて席次が重要な場面としては、会議や取引先との打ち合わせ、宴会や食事会などが挙げられます。
会議などの場では、役職や上下関係に応じて座る席が決められます。特に重要な会議では、上座や下座などの席次を把握しておく必要があります。
また宴会や食事会では、主催者やゲストの序列によって席次が決定します。
食事の場合における席次の基本的なルール
食事会などにおいては、部屋によって席次が変わってくる場合があります。
テーブル席(洋食など)の場合
テーブル席において、上座は入り口から最も遠い席となります。
洋食料理のお店だと上座側はソファー席となっていることがあり、手前となる下座側は椅子になっていることもあるでしょう。
ケースによっては出入りがしやすい席にお客様を座らせてあげる配慮も必要です。
たとえば、たばこを吸う方やお手洗いが近い人の場合には、無理に奥の席をあてがわずに、通路側の席のほうが便利です。
和室の場合
和室の場合、上座は和室の最奥、つまり床の間に近い位置に設置されます。床の間側でも出入り口から最も遠い場所が最上位の上座となります。
ただし、人数によっては床の間側の真ん中の席が最上位の上座になる場合もあるため、注意が必要です。
たとえば、4人で会食する場合であれば床の間側の最奥席が上座になりますが、6人での会食の場合は、真ん中の席が上座、入り口から遠い席が2番目、入り口から近い席が3番目となります。
一方、和室の入り口に近い位置に設置される席が下座になります。
下座も人数によって席次が変化し、4人での会食の場合は、最も位が低い人が出入り口近くに座ります。
6人での会食の場合は、下座側の真ん中の席にもてなす側の偉い人が座り、次に偉い人が奥に、最も位が低い人は出入り口側に座ります。
円卓の場合
中華料理などで円卓を利用する場合には、最も出入り口から遠い席が上座になります。
その席を左右で挟む形で次の偉い方から順に座っていきます。
この場合も最も職位が低い人が出入り口近くに位置するように座ります。
カウンターの場合
寿司屋やバーなどで飲食を行う場合にも席次を配慮しなければなりません。
ただし、テーブル席や和室同様、基本的には出入り口から遠い席が上座となります。
飲食における席次以外の接待時のマナー
席次以外にも飲食における接待時のマナーはいくつか存在します。
なんとなく知っている人もいると思いますが、次に紹介するようなことは必ず知っておいたほうが良いものです。
この機会に覚えてしまいましょう。
店の選び方
接待に使うお店を選ぶ際には、自分の趣味趣向で選んではいけません。
接待する相手の年齢や趣味、好みを調べたうえで店選びを行うようにしましょう。
たとえば、何かしらの疾患を抱えている、アルコールを控えているなどは、普段の会話から情報を把握しておきたいものですし、関係性が深い相手であれば「何食べたいですか?」と具体的に聞いてしまうのも手です。
最低限のテーブルマナーは知っておこう
テーブルマナーは、食事中の礼儀や振る舞いとして接待の場では大事となります。
テーブルマナーを守ることで、他者への配慮や自分自身の品位を保つことができます。
たとえば、次のようなものは一般的なテーブルマナーとして知っておきましょう。
ナプキンの使い方
まず着席したら、ナプキンを膝の上に広げます。ナプキンは食事中に口や手を拭くために使用するもので、食事が終わったら軽く折りたたんでテーブルの上に置きます。
その際、ナプキンを食器の上に置くのは避けるようにしましょう。
カトラリーの使い方
カトラリーとは、食事の際に使うフォークやスプーン、ナイフのことです。
このカトラリーですが、サイズや形状によって名称が異なります。
フォーク
- サービスフォーク
- テーブルフォーク
- デザートフォーク
- フィッシュフォーク
- サラダフォーク
- フルーツフォーク など
スプーン
- サービススプーン
- テーブルスプーン
- デザートスプーン
- スープスプーン
- フィッシュスプーン
- ティースプーン
- アイスクリームスプーン など
ナイフ
- テーブルナイフ
- デザートナイフ
- フィッシュナイフ
- フルーツナイフ
- バターナイフ など
基本的にはフォークは左手、ナイフは右手に持ちます(左利きの人は逆)。
スープやデザート用のスプーンは、器の外から内側に向かって使います。
食事が終わったら、フォークやナイフを揃えてプレートの上に置くようにしましょう。
音を立てて食べない
食事中にクチャクチャと音を立てるのは避けるようにしましょう。
たとえば、スープを飲む際に音を立てたり、食べ物を口に入れるときに音を立てるのはマナー違反。
接待相手に不快な印象を与えてしまいます。
また、食べ物を口に入れるときは、口を閉じて食べるようにすること、手で食べるべきでない食べ物を手で食べることもマナーに反します(ただしカニなどを食べる場合はOK)。
注文は接待する側の末席にいる人が行う
接待の場合、食事は個別注文でなくコース料理を頼むことが多いと思いますが、場合によっては、接待相手に料理や飲み物のメニューを確認しながら注文を進める場合もあります。
その際には、下座の一番末席にいる人が注文を行うようにするとよいでしょう。
食事が始まったら、ドリンクなどの進み具合を見て追加注文の可否を確認することも必要です。
お会計は接待する側がさりげなく行っておく
食事のお会計をする際は、もてなす側が行うのが一般的です。
その際も帰り際に接待相手を待たせるようなことはせずに、お手洗いに行くふりをして事前にさりげなく会計を済ませておくとスムーズです。
まとめ
接待で飲食店を利用する場合には、普段身近な人と行く以上に気を遣う必要があります。
席次もそうですが、自身の食事におけるマナーも気を付けなければなりませんし、追加注文や会計時の配慮も必要です。
何度も行っているうちに慣れてくるものの、初めて食事を共にする相手などの場合には、その後の仕事への影響も考慮し、しっかりとした態度で接待に臨む必要があります。
ぜひ、この記事を参考に接待を成功に導くことを期待しています。