ビジネスにおいて必ず使うアイテムである名刺ですが、起業や副業に向けて名刺を作成したいという人もいると思います。しかし、デザインから業者に依頼すると、結構なコストがかかってしまうため、できるだけ安く自作したいと思うのが正直なところではないでしょうか。
実際、個人でもWordや名刺作成ツールを利用して無料で作成する方法や、Illustratorなどの専門的なデザインツールで個性あふれる自分だけの名刺を作成することは可能です。
そこで、今回は名刺を自作するメリットや、具体的な作成ツールまで具体的に解説します。
目次
名刺を自作するメリット
「名刺は依頼するもの」というイメージの人も多いなか、あえて名刺を自作するメリットについて見ていきましょう。
費用を抑えられる
名刺を自作するメリットとして、一番に「名刺作成費用を抑えられる」ことが挙げられます。
普段仕事で利用しているパソコンやプリンター、名刺用の用紙を準備すれば、自宅でも簡単に名刺を作ることができます。
そうなると、デザイン費用や発注費、送料負担なども必要なく、業者に依頼するよりも圧倒的にコストを抑えて名刺作成が可能です。
自分のこだわりを入れたオリジナル名刺が作れる
名刺は自分をアピールする重要なビジネスツールです。そのため、デザインやカラーにこだわりたい人も多いでしょう。
名刺を自作すれば、デザインはもちろん、カラーやフォント、配置など、自分だけの名刺を作ることができます。特に、WebデザイナーやIT関連の仕事をしているなら、個性的な名刺が自身のアピールにもなるので、仕事につなげるための有効なツールとなります。
急に必要になっても対応しやすい
さらに名刺を自作することのメリットとして、名刺が急に必要になったときでもすぐに用意できる点が挙げられます。
気付いたときには残り数枚ということも多いので、元データがあればいつでもすぐ名刺を印刷できる点もポイントです。
自分で名刺を作る方法
自分で名刺を作る方法として、主に次の3つの方法があります。
おすすめポイント | デメリット | |
Word・Excel・PowerPoint |
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Illustrator・Photoshop |
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名刺作成ツール |
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それでは、具体的にそれぞれの名刺作成方法の特徴を見ていきましょう。
Word・Excel・PowerPoint:急ぎで作成したい人におすすめ
MicrosoftのWordやExcel、PowerPointを使うことで名刺を自分で作成できます。
よく使う人も多いことから操作にも慣れているため、気軽に自宅や会社で作りたいという人におすすめです。
一からデザインして作ることも可能ですが、できるだけ手軽に作りたい人は「Wordの名刺テンプレート」を使って作ると良いでしょう。
「新規作成」から「好きな名刺テンプレート」を選ぶだけで、すでに完成したデザインのテンプレートを利用でき、あとは氏名やメールアドレスなどの情報を入力するだけで名刺が簡単に作れます。
デメリットとしては、使用できるフォントが自身のPC環境によって異なるため、印刷してみるとテンプレートのイメージ通りにはなりにくいことがあります。
しかし、起業したてであまりお金をかけずにとりあえず名刺を作成したいという人など、手軽に作りたい人には適している方法と言えるでしょう。
Illustrator・Photoshop:オリジナリティを出したい人やデザイン関連の業種におすすめ
Adobeが提供しているIllustrator・Photoshopは、Webデザイナーを目指し本格的なデザインを追求したい人におすすめする方法です。
IllustratorやPhotoshopは、デザイン専門のアプリケーションソフトであるため、豊富なフォントや自由なデザイン、印刷設定などこだわりたい部分を名刺に反映することができます。
また、一度作成してしまえば、名前や役職、メールアドレスを変えるだけで複数人の名刺作成も容易に行えるという汎用的な面も大きな魅力です。
ただし、WordやExcelに比べると操作は難しく、普段から使い慣れていないと作成に時間がかかるのはデメリットとなります。
また、利用においては有償となるので導入ハードルは高い点もデメリットのひとつです。ただし、無料体験期間が1週間あるため、無料期間内であればお金をかけずに利用が可能です。
名刺作成ツール:簡単操作で初めての名刺づくりにおすすめ
名刺作成ツールとは、パソコンさえあれば簡単に名刺を自作できる専用のソフトのことです。
名刺作成ツールで作ったデータを保存しておけば、自宅や職場、コンビニなどでも印刷ができて便利です。
この名刺作成ツールにはテンプレートがついているので、時間をかけずに作りたい人やデザインを考えるのが苦手な人でも安心して利用できるでしょう。
無料と有料のものがあり、シンプルな名刺なら無料のソフトでも充分作成可能です。たとえば、無料ツールならCanvaやBiziCard、有料ツールならアスクルやラクスルといったサービスが有名です。
最近見かけるQRコードの挿入も無料作成ツールで作成が可能など、無料でも案外作成できるクオリティは高いです。
しかし、無料作成ツールの場合は、使えるテンプレートやフォントが少ないなど、有料と比べてどうしても機能が制限されます。
そのため、無料版のテンプレートから選ぶと、人とかぶる名刺になる可能性がある点は認識しておきましょう。
名刺を作るときに知っておきたいポイント
名刺を作るとき、最低限押さえておきたい内容について解説します。
サイズ:横向き、55×91mmが基本
日本の一般的なビジネス名刺は、55×91mm(4号名刺)で横向きが多いです。
日本で最も使われているサイズということもあり、名刺入れも4号名刺に合わせたサイズになっています。
名刺はさまざまなサイズがあるものの、4号以外のサイズとなるとテンプレートが少なかったり、業者に印刷発注する場合はオプション料金がかかってしまうケースや、対応不可となるリスクもあるので注意が必要です。
また、近年ではメールアドレスを掲載しやすいことから横向きが主流ですが、場合によっては縦向きでも特に問題はありません。縦向きの名刺は「格式高い印象」を与えるので、信頼感が重要になるコンサル業、士業等の方に利用されています。
向きに関しては自分のコンセプトやこだわりで決めても問題ありません。
デザイン:余白・整列・フォントを意識する
自分で一からデザインをする場合、余白・整列・フォントの3つを意識して作成することが重要です。
まず、四辺の余白は、紙のサイズの短い辺に対して「8%~13%」の余白を設けます。
一般的な名刺サイズ「91mm×55mm」の場合、周囲に「5mm~7mm」の余白が必要です。
余白があると読みやすくなるという視覚的な理由もありますが、あまりに名刺の端まで文字を入れてしまうと、印刷や裁断で切れてしまう可能性があります。
また、名前や役職、会社名などを配置するときには、「整列」を意識することで、整った印象の名刺になります。
整列とは、文字の配置を揃えることで、前後の文字の一文字目の位置を合わせることで、視認性が上がるので、必ず確認しておきましょう。
最後にフォントも重要な要素です。
自分の業種やサービスによって合うフォントは異なり、文字がメインの名刺ではデザインの要と言っても過言ではありません。
たとえば、女性向けなど柔らかい印象を与えるなら「丸ゴシック体」、医療関係やコンサルティング業などきちんとした印象を与えたいなら「明朝体」や「教科書体」などがおすすめです。
記載する順番の整理
名刺には必ず守る記載ルールはありませんが、関連内容ごとにまとめると読みやすくなります。
氏名に関するものであれば、以下のような順番で掲載されることが一般的です。
- 所属部署
- 肩書
- 氏名
また、詳細に関するものの記載は以下の通りです。
- 郵便番号+住所
- 電話番号
- FAX番号
- メールアドレス
- ホームページURL
- ロゴマーク+社名
まとめ
今回は、自分で名刺を作る方法や、名刺作成で知っておきたい基本構成について解説しました。
自分で名刺を作ることで、コストを抑えつつオリジナリティあふれる名刺を作成できる点は大きなメリットとなりますし、Wordや名刺作成ツールなど簡単にテンプレートを利用して作ることで、デザインに自信がない人でも自分だけの名刺を作ることも可能です。
名刺を自作してみたい人は、この記事を参考に名刺作成してみてはいかがでしょうか。