フルコミッション営業で起業する方法

営業力のある方の場合、営業代行という形で起業するという方法があります。自社に商品がなくても、他社商品を他社に代わって営業する営業代行は、起業したてでリソースが少ない段階では非常に有効です。そんな営業代行の中でも高い報酬を目指す方には「フルコミッション営業」という選択肢があります。固定給がない分、実力次第で大きな報酬を得られるのがフルコミッション営業の魅力でもありますが、覚悟と準備も必要です。

今回はフルコミッション営業として起業する方法について見ていきたいと思います。フルコミッション営業で起業することに興味があるけれど、何から始めればいいのか分からない方は是非参考にしてみてください。

フルコミッション営業とは?

フルコミッション営業とは、成果に応じて報酬が支払われる完全歩合制の営業スタイルのことを指します。会社員のように月給や基本給が保証されているわけではなく、契約が取れなければ収入はゼロという非常にシビアな世界ですが、しかしその一方で、自分の営業力や行動量、戦略次第で大きな収入を得ることも可能であり、実力がダイレクトに報酬に反映される点が最大の魅力となります。

フルコミッション営業は、自分の時間や働き方を自由に設計できるため、成果さえ出せば働く場所やスケジュールに縛られることはありません。自宅やレンタルオフィスを拠点に事業としてスタートすることもできます。独立志向のある人や、自分の力で稼ぎたいという強い意志を持った人にとっては、大きなやりがいを感じられる働き方かもしれません。

ただし、顧客との信頼関係の構築や継続的な自己研鑽、メンタルの維持など、フルコミッション営業には求められるスキルや姿勢として非常に高いものがあります。結果が出るまでに時間がかかることもあり、不安定な時期をどう乗り越えるかが大きな分かれ道となるでしょう。

フルコミッション営業が活躍できる業界

フルコミッション営業が活躍する業界は、高単価で利益率が高くかつ営業の力によって売上が大きく左右される分野に限られます。代表的なものとしては、不動産業界や保険業界、金融商品販売、太陽光発電やオール電化といった住宅関連のエネルギー業界などが挙げられます。近年では、ネット回線やウォーターサーバー、モバイル関連などの通信・インフラ分野も増えており、幅広い商品・サービスもフルコミッション営業の対象となっています。

こうした業界に共通しているのは「一件あたりの売上が大きい」「継続的なフォローよりも初回契約のインパクトが重視される」「営業の人脈や話術が契約率を左右する」といった点です。特に個人宅への訪問販売や対面でのクロージングが求められるケースが多く、人との信頼構築や提案力に長けている人が成果を出しやすい傾向にあります。

これらの業界へのフルコミッション営業は「業務委託契約」を締結した形で働くスタイルが一般的で、企業側も固定費を抑えつつ、優秀な営業人材に高歩合で報いる仕組みができあがっています。逆に企業と労働者が通常の雇用契約を締結する際には、一定の賃金を支払う義務があることが労働基準法第27条で規定されています。

このようにフルコミッション営業では努力がそのまま報酬に跳ね返る構造が整っているので、「稼ぎたい」「自分の力を試したい」という人にとってはチャレンジする価値のあるフィールドとなっています。

フルコミッション営業が向いている人・向いていない人

フルコミッション営業が向いている人と向いていない人の違いは次のように定義することができます。

フルコミッション営業が向いている人

フルコミッション営業に向いているのは、自律性を高く持ち、自分の行動に責任を持てる人。こうした人は、誰かに管理されたり、毎日のタスクを指示されなくても、自ら考えて必要な行動を積み上げていけます。

たとえば、今日は何件アポイントを入れようか、どのタイミングでクロージングを仕掛けようかと、自分で計画を立て、それを実行に移すことができるのです。成果が出なければ、その理由を他人や環境のせいにせず、自分のやり方やアプローチを見直して修正しようとします。

また、報酬に対する価値観として、「安定」よりも「成果に応じたリターン」に魅力を感じる人もフルコミッション営業に強くフィットします。月収が固定されていない代わりに、契約を取ればその分ダイレクトに収入に反映されるため、「自分の力でどこまでも稼げる」という可能性にワクワクできるタイプは、まさにこの世界で輝ける存在です。

フルコミッション営業が向いていない人

一方で、フルコミッション営業に向いていない人は、一定の指示や環境が整っていないと動けないタイプです。毎日の業務内容が明確に定まっていないと不安になる、または自分でモチベーションを維持するのが苦手という人は、「自由=自己責任」のフルコミッション営業の世界ではつまずきやすくなります。

さらに、報酬に対する価値観として「毎月安定した収入が欲しい」「最低限の生活が保障されていないと不安」と感じる人も、この働き方にはストレスを感じやすいです。フルコミ営業では、成果がゼロなら収入もゼロという状況が現実に起こり得るため、不安定さに耐えられない人にとっては、大きな精神的負荷になります。

自信を失いやすかったり、失敗を必要以上に引きずる傾向がある人も、向いているとは言い難いでしょう。なぜなら、この仕事は結果がすべてであり、断られることの方がむしろ日常だからです。

フルコミッション営業に向いているかどうかは、「自分で考えて動けるか」「不安定な環境でもチャンスと感じられるか」にすべてがゆだねられます。

フルコミッション営業の収入

フルコミッション営業の収入は「完全歩合制」。自分の売り上げた分がそのまま収入に直結するスタイルです。基本給や時給は一切なく、契約や成果を上げなければ収入はゼロ。しかし、逆に上限もなければ年齢や勤続年数に左右されることもありません。つまり、実力と努力次第でサラリーマンの何倍もの収入を手にすることも可能です。

たとえば、1件の成約に対して10万円の報酬が入る仕組みの場合、月に1件契約が取れれば10万円、10件なら100万円を手にすることができます。また、不動産や保険、太陽光発電などの高単価商品を扱っている場合は、1件で数十万〜百万円単位の報酬が得られることも珍しくありません。

フルコミッション営業は、アポイント獲得や商談、契約、フォローアップまでを一人でこなす必要もあり、時間をかけた分だけ収入になるという単純なものではありませんが、行動し続けられる人にとっては、大金を得られる可能性のある業務形態なのです。

まとめ

フルコミッション営業での起業は、自分の実力をダイレクトに収入へと反映できる、非常にチャレンジングでありながら魅力的な働き方のひとつです。

固定給がないという点では不安定に見えるかもしれませんが、その分成果を上げれば上げるほど報酬は青天井。努力や工夫が正当に評価される環境であり、自分の頑張り次第で収入を大きく伸ばすことができます。

また、働き方の自由度が高いのも大きなメリットで、時間や場所に縛られず、自分のペースで仕事を進められるのは、従来の雇用形態では得られない大きな魅力です。

もちろんすべてが自己責任であるため、結果を出すには高い自己管理能力や営業スキルが求められますが、成果を出すことにやりがいを感じる方や、会社という枠に縛られずに働きたいという想いがある方にとっては、非常に相性の良い働き方です。自分の強みをしっかりと理解し、それを武器にして動ける人であれば、大きな成功を手にする可能性も十分にあります。

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