マナー講師で起業する方法

ビジネスマナーや接遇スキルは、企業や個人の印象を左右し信頼を築くために必要なものです。近年、企業研修や就活対策、接客業のスキル向上など、マナー教育の需要が高まっていることから、マナー講師として独立・起業するチャンスが広がっています。

これまでの自分のビジネス経験や専門知識を活かし、企業向けの研修や個人向けの講座を提供すれば、セミナー講師として安定した収益を得られる可能性があります。

今回はマナー講師として起業する方法について見ていきたいと思います。

マナー講師とは?

マナー講師とは、ビジネスマナーや接遇スキル、立ち居振る舞いを指導し、個人や企業の印象を向上させる専門家のことを指します。単なるマナー指導にとどまらず、相手に好印象を与えるための実践的なスキルを提供し、受講者がビジネス社会で円滑にコミュニケーションを取れるようにサポートする役割を担っています。

マナー講師が対応できる分野は幅広く、企業向けの研修では新入社員向けのビジネスマナー研修、接客・販売業向けの接遇研修が主なものです。たとえば、新入社員研修では、名刺交換や電話対応、メールの書き方、敬語の使い方、身だしなみのポイントなど、職場で求められる基本的なマナーを指導します。また、接客業向けの研修では、お客様への言葉遣いや身のこなし、クレーム対応の方法などを実践的に教えます。

また、個人向けのマナー指導を行う講師もいます。婚活中の人やキャリアアップを目指すビジネスパーソン向けに、印象を良くするための振る舞いや会話の仕方、TPOに応じた服装の選び方などをアドバイスすることもあります。近年では、就活生向けに面接での話し方やお辞儀の仕方を指導するサービスの需要も高まっているようです。

マナー講師は起業しやすい点もポイント。自宅やレンタルオフィスを拠点として開業できますので、初期投資を抑えながらスピーディーに事業をスタートすることができます。

マナー講師の仕事

マナー講師には、単にルールを教えるのではなく「なぜこのマナーが必要なのか」「どうすれば自然に実践できるのか」を伝え、受講者が自信を持って行動できるようサポートすることが求められます。そのため、研修の中では実践演習やロールプレイングを取り入れ、受講者が実際の場面でスムーズにマナーを発揮できるよう指導することが重要です。

さらに、企業のブランド価値向上を目的とした経営層向けのマナー研修や、国際ビジネスマナーを教える講師もいます。海外との取引がある企業の場合、異文化理解や国際的なエチケットに関する指導が求められることもあるため、英語をはじめとした海外のビジネスマナーを教える専門講師の需要も高まっています。

マナー講師として独立起業するのに向いている人

マナー講師で独立起業するのに向いている人には次のような特性があると言われています。

コミュニケーション能力が高い人

マナー講師に向いている人に最も必要な資質としては、コミュニケーション能力の高さがあります。マナー講師の仕事は、単にルールを教えるだけではなく受講者に「心地よい印象」を与えながら指導することが求められます。受講者の話をしっかり聞き、的確なアドバイスをすることで、より信頼される講師になれるはずです。

マナーを守ることに高い意識がある人

自分自身が常にマナーを意識して手本となれる人もマナー講師に向いていると言えます。マナー講師は、言葉遣いや立ち居振る舞い、服装などすべての行動が受講者の目に映ります。たとえば、話し方が柔らかく、落ち着いたトーンで話せる人や、姿勢や歩き方が美しい人は、講師としての説得力が増します。また、受講者にとって「この人のようになりたい」と思える存在であることが、成功するマナー講師の条件のひとつです。

人に教えるのが好きな人

マナー講師は、教えることが好きで人の成長を支えることにやりがいを感じる人にも適しています。受講者の中には、自信を持てない人やマナーを知らずに戸惑っている人もいます。そのような人たちに対し、根気強く指導し一つひとつできるようにサポートすることができる人、小さな成長に気づき受講者と一緒に喜べる人は、マナー講師として長く活躍できるでしょう。

常に学び続けられる人

常に学び続ける姿勢がある人も、マナー講師には向いています。マナーは時代とともに変化し、新しいルールやビジネスマナーのトレンドが生まれることもあります。また、海外のマナーや文化に関する知識を広げることで、より専門性の高い指導が可能です。自分自身も常にスキルアップしながら、新しい知識を取り入れる意欲がある人はマナー講師としての価値を高められるはずです。

マナー講師として独立起業するのに必要な資格

マナー講師として独立起業するために必須となる資格はありません。しかし、専門的なスキルや知識を証明するために、マナーや接遇に関する資格を取得することによって信頼を高めることが可能です。特に企業研修や個人指導を行う際には、資格があるとクライアントに対して説得力が増し、仕事の受注にもつながりやすくなると言われています。

サービス接遇検定

マナーの基本を学ぶならサービス接遇検定が適しています。サービス接遇検定(公益財団法人 実務技能検定協会 主催)は、敬語の使い方や接客時の言葉遣い、電話対応など、実践的なマナーを体系的に学ぶことができ、特に接客業や企業向けのマナー講師として活躍する際に役立ちます。

ビジネスマナーインストラクター

専門的な指導スキルを身につけたい場合は、ビジネスマナーインストラクター(一般社団法人 日本講師協会 主催)としての認定を得るとよいでしょう。ビジネスマナーインストラクターでは、講師としての話し方や研修プログラムの作り方を学ぶことができ、企業や団体向けの研修を行う際に説得力を持たせることができます。

接遇マナーインストラクター

接客や販売、医療・福祉業界向けのマナーを教えたい場合には、接遇マナーインストラクター(日本接遇教育協会 認定)の資格が適しています。特に、接客業の接遇レベルを向上させるための実践的なスキルを身につけることができ、ホテルや病院などでの指導に活かせます。

話力検定

講師としての話し方やプレゼンテーションスキルを強化したい場合は、話力検定(一般社団法人日本話し方協会 主催)が役立ちます。受講者にわかりやすく説明する力が向上し、研修の質を高めることができます。

マナー講師として独立起業した場合の収入

一般的にマナー講師としての年収は400万~500万程度と言われていますが、いろいろな団体や企業に引っ張りだことなるマナー講師であれば、年収1,000万円をこえることも可能です。特に、企業向けの高額な研修を頻繁に行うマナー講師や、メディアで活躍する有名なマナー講師は、高収入を得られる傾向があります。

まとめ

マナー講師として独立起業するには、専門知識や指導スキルを磨き、研修や講座を提供するビジネスモデルを確立することがとても重要です。企業向けのビジネスマナー研修や接遇指導、個人向けの面接対策や婚活マナー講座など、ターゲットを明確にし、専門性を高めることで、クライアントの信頼を得ることができるでしょう。

また、資格取得や実績作りを通じて講師としてのスキルを証明し、SNSやウェブサイトを活用して集客を強化することも起業成功のポイント。講演やオンライン講座開催も収益の幅を広げる方法となります。ぜひ、できることをくまなく実践し、他のマナー講師に負けない収入を目指しましょう!

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