ビジネス電話応対の基本マナー|好印象を与える敬語とNG表現を解説

ビジネスにおいて電話応対は、企業の第一印象を左右する重要なコミュニケーションのひとつです。

電話越しの対応は相手の表情が見えない分、言葉遣いや話し方がより重要になります。その分、適切なマナーとスムーズな対応ができれば、信頼関係を築くだけでなく円滑な業務の進行につながります。

しかし一方で、不適切な応対は企業の信用を損ねる可能性もあります。よって、ビジネスの現場では、基本的な応対ルールを押さえてかつ状況に応じた対応が求められます。

本記事では、ビジネスにおける電話応対について詳しくお伝えします。

電話応対の心構え

ビジネスでの電話応対は次のような心構えを持ち、応対することが求められます。

電話は3コール以内に出る

ビジネス電話は基本的に3コール以内に出るのがマナーです。「誰かが出るだろう」と待つのではなく、自分が率先して対応する意識を持ちましょう。

なお、電話が鳴ったらすぐに対応できるように、手元にメモを用意して利き手でペンを持ち、利き手と逆の手で受話器を取るとスムーズです。迅速に対応することで、相手に好印象を与え、業務の効率も向上します。電話応対は企業の第一印象を決める重要な要素であるため、迅速かつ丁寧に対応しましょう。

声がとても重要

電話応対では、相手に与える印象の大部分が声によって決まります。そのため、次のポイントを意識することで、相手に好印象を与えることが可能です。

明るくはっきりとした声で話す

低すぎる声や暗いトーンは、相手に不安を与えます。相手に顔は見えませんが笑顔を意識しながら話すと、自然と明るい印象になるのでやってみましょう。

適度なスピードで話す

早口すぎると聞き取りにくく、ゆっくりすぎると相手の時間を奪ってしまいます。常に相手の反応を見ながら、相手に合わせて適切なスピードで話すのを心掛けましょう。

語尾を丁寧に発音する

「〜です」「〜ます」といった語尾をきちんと発音することで、礼儀正しさが伝わります。逆に語尾が曖昧だと、雑な印象を与えることがあります。

正確な情報を伝え聞き取る力が必要

電話応対では、短時間で必要な情報を的確に伝え、相手の要件を正確に聞き取ることが重要です。よって、次の点に気を付けて応対しましょう。

要点を整理して話す

長々と説明するのではなく、「結論→理由→補足」の順番で話すと、簡潔で伝わりやすい会話になります。

復唱して確認する

相手の要件や重要な情報(日時・場所・数値など)は必ず復唱して確認しましょう。たとえば、「〇〇の件について、△△日△△時にお打ち合わせということで承りました」と伝えると、聞き間違いを防ぐことができます。

メモを取る習慣をつける

常に電話をしながらメモを取ることで、聞き漏れや記憶違いを防ぐことができます。特に相手の名前や連絡先、日時、要件はしっかり記録しておきましょう。

状況に応じた対応力が必要

電話では、マニュアル通りの展開に話が進むことはほぼありません。さまざまな状況に対応できるように柔軟な心構えが必要となります。そのためには、次のようなことに気を付けましょう。

相手の都合を考える

たとえば、始業直後や終業間際といった忙しい時間帯は避け、相手の都合を確認しながら話を進めるとより良い関係が築けます。

急なクレームにも冷静に対応する

クレームやトラブル対応は電話応対につきものです。よって、相手の話を最後まで聞き、すぐに言い訳や反論をせずに共感の姿勢を示すことが大切です。たとえば、「ご不便をおかけして申し訳ございません。詳しく状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」といった具合に、顧客に歩み寄った会話をするとよいでしょう。

保留や折り返しの際は必ず理由を伝える

電話をいったん保留する、また折り返す場合には、「少々お待ちください」だけではなく、「〇〇を確認いたしますので、少々お待ちください」と理由を添えると、相手が安心します。

電話応対で使うと安心な敬語

ビジネスにおける電話では、正しい敬語を使うことが重要です。適切な表現を使うことで、相手に丁寧で誠実な印象を与えることができます。ここからは、電話応対でよく使う敬語を「基本表現」「クッション言葉」「NG表現と正しい言い換え表現」に分けて紹介します。

電話応対での基本表現

状況 一般的な表現 正しい敬語表現
電話を受ける時 もしもし? お電話ありがとうございます。〇〇(会社名)の△△(名前)でございます。
相手の名前を確認する お名前を教えてください。 恐れ入りますが、お名前をお伺いできますでしょうか?
用件を尋ねる 何の用ですか? どのようなご用件でしょうか?
取次ぎをする ちょっと待ってください。 少々お待ちくださいませ。
担当者が不在の時 いません。 申し訳ございません、〇〇はただいま席を外しております。
折り返しを伝える 戻ったら電話するように伝えます。 戻りましたら折り返しご連絡させていただくよう申し伝えます。
折り返しをお願いする 後で電話してください。 お手数ですが、お時間のある時にお電話をいただけますでしょうか?
伝言を預かる時 伝えておきます。 よろしければ、ご伝言を承ります。
聞き取れなかった時 もう一回言ってください。 恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか?
電話を切る時 じゃあ、失礼します。 お電話ありがとうございました。それでは失礼いたします。

クッション言葉を使用する

電話応対では、ストレートな表現よりも「クッション言葉」を加えることで、より丁寧で柔らかい印象を与えることができます。

シチュエーション クッション言葉の例
お願いする時 お手数をおかけしますが/恐れ入りますが/差し支えなければ
断る時 申し訳ございませんが/あいにくですが
確認する時 念のため、確認させていただきますが/恐れ入りますが
再度聞く時 恐れ入りますが、もう一度お願いできますでしょうか?
待ってもらう時 少々お待ちいただけますでしょうか?/ただいまお調べいたしますので、少々お待ちくださいませ。

NG表現と正しい言い換え

日常会話で使いがちなフレーズでも、ビジネスシーンでは失礼にあたる表現があります。ここで紹介する以下のような言い換えを意識しておくと、クレームにならずに安心です。

NG表現 正しい敬語表現
〇〇さんいますか? 〇〇様はいらっしゃいますか?
今、忙しいみたいです。 ただいま取り込み中でございます
伝えときます。 申し伝えます
わかりました。 かしこまりました/承知いたしました
ちょっと待ってください。 少々お待ちくださいませ
〇〇は今日は休みです。 〇〇は本日、休みをいただいております
何か言っときますか? よろしければ、ご伝言を承ります
電話ください。 お手数ですが、お電話をいただけますでしょうか?
どうしますか? いかがなさいますか?
大丈夫です。 問題ございません/結構でございます

まとめ

電話応対は、企業の印象を左右する重要なコミュニケーションのひとつです。基本的なマナーとして、電話が鳴ったら3コール以内に出ること、応対時は明るくはっきりとした声で話し、敬語やクッション言葉を適切に使うこと。そうすることで丁寧な印象を与えられます。

また、相手の要件を正確に把握するために、メモを取る習慣をつけることも大事です。不在時の対応や折り返しの伝え方にも注意し、最後まで礼儀正しい態度を保ちましょう。迅速かつ誠実な電話応対を意識することで、相手との信頼関係を築き、円滑なビジネスコミュニケーションにつなげることができますので、ぜひ今日から実践してみましょう!

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